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プロローグ

よろしくお願いします



「はぁ。」



息が白い、これでも温暖化の影響で暖かい方だと言うのだからムカつく。


「おせぇな〜、アイツ。」


 俺は今、人生初めて出来た彼女を待っている。





いや嘘だ。




頭の中で妄想していたので妄想内の話と言う事であれば本当と言えるが、俺は彼女いない歴=年齢を34年間真っ当している現在進行形の現役戦士だ。


 今待っているのは後輩の早瀬、ちなみに男である。

 俺にサプライズがあると言って休日なのに俺を呼び出した張本人なのだがまだ姿が見えない、何をしているのだろうか。


「はぁ。」


 俺は何度目かになるため息を吐く、それは例に漏れず白くなり空中で四散した。


 早瀬は俺の後輩でチャラいが根は良い奴だ、見た目のせいで良く問題になるが仕事とプライベートの両立はしている、それに仕事も早い。

 俺と歳はかなり離れているが何故か俺に懐いている様だ。



それより...。


「いや、いくら何でも遅すぎるだろ...。」


 朝の9時に駅前に集合と約束をした筈なのだが今は9時30分だ。


もう帰ろうかと思った時...。


「せんぱーい!」


早瀬の声が人混みの中聞こえた。


「おい、早瀬...、お前人の事呼び出しといて何遅刻してんだよ...。」


「いや、すみません、てか死にそうじゃ無いすか、大丈夫すか?」


こいつ...、誰のせいだよ人の事馬鹿にしてんのか?

そう思い俺は早瀬の頭に拳を叩き込む。


「いってぇ!!何するんすか!暴力反対っす!!」


「すまんムカついた、それよりサプライズってなんだよ、家帰って寝たいから早くしてくれ。」


 そうだ、俺は明日仕事なのだ、だからせっかくの休日は家で眠って英気を養わねばならない、これが社畜の基本だ。


 「せっかく先輩が食べたいって言ってたケーキ、夜中から並んで買って来たのに...、そんな事するなんて酷いっす。」


なんだと...。


「早瀬、済まなかったよ、さっきは手が滑ったんだ、俺が可愛い後輩たるお前に手をあげる筈が無いだろう?」


「軽っ! 先輩軽っ!!」


くっ、こいつ人が下手に出てやれば調子に乗りやがって...、だがこれもあのケーキの為だ...。


「まぁそう言うなよ、お前朝飯は食ったか?いい店知ってるから連れてってやるよ」


 朝から何も食わずに出てきた為少し腹が減った、近くに美味い食堂を知っているので早瀬を誘う。


「飯はまだっすね、是非一緒に行きたいっす!」


「んじゃ行くか、あそこ美味いんだよな〜、誰にも言うんじゃねーぞ?」


 人が多くなって列なんかができると困ると思い早瀬に念を押す。


「解りました!じゃ飯食ってから俺の家行きますか、冷蔵庫にケーキ保管してるんで、ちなみに4個変えたんで1人2個食べれるっすよ!!」


おぉ!!こいつはごく稀に気を利かせる時がある。


「マジか!!よし、早く飯食って行くぞ!」


そう言って俺は行き付けの食堂へ足を向ける、その時。



バンッ!!



空中に乾いた音が鳴り響く、それと同時に...、


「キャーー!!」


 女性の悲鳴が聞こえた、そちらに目を向けると数メートル先で黒いフードを被った男がスーツを来た男性に向けたピストルの引き金を引いた直後だった。

 驚愕してそちらを直視しているとフードの男と目が合った。


 すると男はニタァと表現出来るような笑いを浮かべるとこちらにピストルを向け...、


「パンッ!!」


 もう1発乾いた音が鳴り響く、それと同時にフードの男は俺から興味を無くした様に逃げた人を追いかけながら銃を構えて行った。


「先輩!?」


 逃げる人達に押されて離れていた早瀬が俺を見つけて駆け寄って来る。



「先輩...、血が...。」


 倒れている俺を早瀬が起き上がらせる、そして手に付着した血液を見ながら呟いた。


「なんで...、先輩!大丈夫ですよね?これ、大丈夫ですよね!?」


 早瀬が取り乱しながら俺に質問する、はぁそんな顔してんじゃねぇよ俺まで心配になるじゃねぇか...。


「グプッゲホッ...。」


喋ろうとしたが血が喉につまり上手く話せない。


 そして強烈な痛みが脳に伝わってきた...、それと同時に物凄く暖かい様な...、ふと俺を中心に目に映る何かを発見する。


 それは俺の血だった、雨が降った後の様な血の水溜まりが俺を中心に丸く出来ていた。


マジかよ...、これ、全部俺の血か...。


 それを意識すると同時に走馬灯の様な物が見えてきた...






 俺が24の時親が他界した、都会に出ていた俺はそれに気付かず...、初めて知ったのは3ヶ月後だった。


 その時になって初めて「何故俺は家に帰ってやらなかったんだろう。」と後悔が沸き起こった。


 そしてそれを紛らわす様に仕事に身を入れ気付けば34だ、

 趣味とかあればもう少し違ったのかなぁとふと思う。


 だがもう遅いか、あの血の量はもう恐らくダメだろう。


 そう思うと同時に物凄く寒くなってきた、そろそろヤバイ、なんだか眠くなって来た。



「先輩!!」




 うるせぇな...、そう言えばこいつ、仕事とか上手くやって行けるだろうか...、また問題起こさねぇかなって最後に思い返すのが男かよ。



まぁいいか。





そして俺の人生は幕を下ろした。

小説って難しいですね、これから頑張って行きますのでよろしくお願いします。


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