#80 秋へ
――ツキカゲ中学校
「なるほど、そんなことが……」
チヒロとナオは、昨日あったことをハルコたちに話していた。
「でも、あれからどうなったんだろう?」
「そうだなぁ。まだ落ち込んでるままか、あるいは……」
その途中、教室のドアが開く。そこには……
「やぁ、お前ら!おはよう!」
とても笑顔なサトルがいた。それを見たチヒロたちは、開いた口が塞がらなかった。
――カツラギ中学校
「失礼しま……」
「あ、ワタル君!おはよう!」
ワタルの担任のノゾミは、とても笑顔だった。ワタルは、開いた口が塞がらなかった。
何故、この2人がこのような感じなのか?順を追って説明しよう……。
サトルは家に帰ったその後、紙袋の中を確認する。その中にはハンカチと手紙、そして……
「ハンカチ?」
きれいにラッピングされていたその中には、水色のシンプルなハンカチが入っていた。そしてサトルは、手紙を確認する。その手紙には、この前のデートについてのこと、水色のハンカチは、デートの際にあげようとしたが渡せなかったこと。そして最後の文面には……
『来週また、どこかへ出かけましょう!不器用な私ですが、これからもよろしくお願いします。 ノゾミより』
手紙を読み終わったサトルは、すぐに電話を取る。その相手はもちろんノゾミだ。その後2人は、公園の時のぎこちなさはなく、約1時間、談笑をしていた……。
――ツキカゲ中学校
「またデート……楽しみだなー……」
「「「「「「……」」」」」」
チヒロたちは、ニヤつきながら何かを言っているサトルを見ていた。
――カツラギ中学校
「デート……フフッ……」
「……」
ワタルは職員室を出る際に、ノゾミがそう呟くのが聞こえた。
放課後。チヒロとナオは、家へ向かって歩いていた。
「でも恋人も先生って驚いたなー」
「それ、昨日も行ってたぞ」
「そうだっけ?それにしても……夕方は涼しくなったね」
「もう秋だなー」
そして季節は、長かった夏から秋へ……
次回から『秋編』になります。




