#79 いつもと違う
――ツキカゲ公園
担任のサトルが落ち込んでから2日後。チヒロとナオは、ある光景を見ていた。
「あの人が、付き合ってる人?」
「かもな」
2人が見ているその先には……サトルともう1人、『犬族』の女性がいた。サトルとその女性は、公園のベンチに座って話をしているようだ。
「あの人が恋人かー」
「おい、声を抑えろ」
チヒロとナオが、声のしたほうへ向くとそこには……
「ワタル?」
「コウスケも?」
「あの人、お前らの先生なのか?」
「あぁ。あの人は俺らの担任の『ノゾミ』先生だ」
そして4人は、再び先生たちの方を見る。
「……本当にノゾミ先生か?」
しばらく見ていると、ワタルはその様子を見てそう言いだす。
「どういうこと?」
「ノゾミ先生はいつも明るくてー、話すときも、あのようにボソボソとは話さないもん」
確かにノゾミは時々サトルの方を見るが、すぐに目をそらしてしまう。話の方も少し話すだけで、広がらない状態が続いていた。そしてサトルも、同じような感じだった。
「そっちも落ち込んでたのか……」
チヒロたちは、お互いに最近の先生のことを話していた。
「喧嘩……ではなさそうだけど」
「うーん……」
チヒロたち4人は、頭を悩ませていた。
「あの……これ」
ノゾミは、サトルに小さな紙袋を渡す。
「これは……?」
「ハンカチです。この前、返すのを忘れちゃって……」
「あー、すいません。わざわざ」
そして紙袋を開けると、青色のハンカチと……1枚の手紙が入っていた。
「あの、これは……」
「それでは、私はこれで……」
ノゾミはそう言って、足早に去っていった。サトルは一度立ち上がったが、再びベンチに座り、緊張が解けたかのように俯いた。
『夏編』も、あと1話です。




