#74 トモのお菓子作り ~その2~
――ハルコの家
「じゃあ、作っていこう!」
「……うん」
キッチンには、エプロンをしているトモとハルコがいる。2人の前には、パンケーキの材料と、お菓子作りの本が置いてあった。
そして話は、一昨日の放課後まで戻る……。
――ツキカゲ中学校
教室には、トモとハルコの2人だけ。チヒロが上手く、2人になるようにしてくれたのだ。
「話って?」
「えーと……その……」
トモは緊張していた。普段、自分から話すこと殆どなかったからだ。それでもなんとか伝えようとしていた。
「は、話が、あるんだけど……」
「え?」
ハルコは少し驚いた。今まで、トモから話しかけてくることが殆どなかったからだ。しかしハルコは、どこか嬉しそうだった。
「お菓子を作るの手伝ってほしいの?」
それを聞いたトモは、小さく頷く。
「もちろんいいよ!」
それを聞いたトモは、心の中でホッとした。
「それじゃあ、何を作るか決めようよ。本もあるし」
そしてハルコとトモは、日曜日の予定を話し合う。
トモとハルコが教室で話をしているなか、その様子を廊下で見ている人たちが……
「よし、頑張ってるな!」
チヒロは、トモの雄姿に感動をしていた。最初は不安でしょうがなかったようだが、今は安心して見ている。そして、その隣にはナオ。しかしナオは途中から、心配をしていたチヒロの方を見ていた。
「(本当に心配性なんだから……)」
隣で見ていたナオは、心の中でそう思ったのをチヒロは知らない……。
――ハルコの家
「一昨日も行ったけど、今日は『パンケーキ』を作るからね」
「……」
トモは微かに心配そうな顔になる。
「大丈夫!一緒にやれば、おいしいのできるから!」
ハルコが笑顔でトモにそう言えば、トモは小さく頷く。
「じゃあ、作っていこう!」
「……うん」
こうして、トモの初めてのお菓子作りが始まった。




