#62 夏祭り ~その2~
――ツキカゲ小学校
チヒロ、ナオ、村長が校庭に来てみると、既に多くの人が来ていた。大きなステージでは、琴の演奏が行われていた。今年も、賑やかだな……と、チヒロは思った。
「おう、お前ら!」
チヒロたちが振り返ると、マモルとトモが歩いてくる。マモルは、紺色の浴衣を着ている。トモは緑の浴衣を着ており、右手には、りんご飴を持っていた。
「トモ、早速だな」
「……美味い」
トモはおいしそうに食べている。
「俺らもなんか食べるか」
チヒロの提案に、みんなが賛成した。
「あっ、見つけた!」
チヒロたちは、ベンチに座り食事をしていた。その途中、聞き覚えのある声が聞こえた。
「ワタルとコウスケだ!」
カツラギ村に住んでいる2人も来ていた。2人はそれぞれ若葉色の浴衣を着ており、2人の右手には、かき氷を持っていた。
「それって、『あんず』の?」
「そうだ」
そして、ワタルとコウスケも加わり、食事を楽しむ。ステージでは、太鼓の演奏が行われていて、太鼓の打つ音が聞こえていた。
――ツキカゲ中学校
「チヒロたち、どこかなー?」
「小学校のほうじゃない?」
月欠け中学校の校庭には、ハルコとレナがいた。ハルコは、水色の浴衣。レナは桜色の浴衣を着ていた。
「あれ、お化け屋敷がある」
「えっ?」
レナの見ている方向には、確かにお化け屋敷があった。人気のようで行列ができていた。
「入ってみない?」
「え~……私はちょっと……」と、ハルコは縮こまる。
そしてレナは、遠慮するハルコを何とか説得してお化け屋敷の列に並んだ……。
その後、お化け屋敷の中から、今日一番の叫び声が聞こえた。その声の主は……もちろんハルコだった。
「ねぇフミヤ、やっぱチヒロたちは小学校かなー?」
「そうですね……」
こちらは、フミヤ、ケンイチ、ケンジの3人。フミヤはグレーの浴衣。ケンイチとケンジは、紺色のお揃いの甚平を着ていた。
「君たち、ちょっといいかな?」
フミヤたちが声のしたほうへ向くと、『狐族』の男がいた。
「カズナリ……村長さんは、どこにいるか分かるかな?」
「ん?おっちゃん、村長と知り合いなの?」
「こら、ケンジ」とフミヤが注意する。
しかしその人は、気にしてない様子で笑っている。
「あぁ、知り合いではあるな」
その後、その人は村長を探すために、フミヤたちと別れる。そしてその人は、フミヤたちに伝言を頼んだ……
「(タケオが探していたと伝えてくれ)」……と。




