#58 がんばった村長
――村長の家
現在、外は夜になっていた……。
チヒロと村長は、居間の方にいた。村長は疲れた表情をしている。エミリは客間の方にいる。ナオヤは、夜から仕事の用事があるとのことで、オオサキ村へ帰っていった。
「今日はお疲れ様」
「あぁ……」
「最初のあの質問で、凄い不安になったけどね」
チヒロは、思い出したかのように笑う。
「もう忘れてくれ……」
『好きな食べ物は?』という質問から始まった会話。しかしそこから、なんとか会話をしようと、村長は頑張っていた。そんな村長を見て、チヒロは……(これなら大丈夫かな……)と少し安心する。そして遂に……
「娘を、よろしくお願いします……」
村長の言葉に、ナオヤは「はい!」と答える。
「お父さん、ありがとう!」
エミリも、嬉しそうに笑う。それを見て村長は、ちょっと照れていた。
「チヒロ。俺、頑張ったよな?」
村長が問いかけるとチヒロは「そうだね、面白かった」と答える。
「なんだ面白かったって……」
「いや、別に」
こうして、村長の最大のイベントは、色々ありつつも無事に終わった。今日は久しぶりによく眠れそうだな……と、村長は思った。
――客間
エミリは、寝間着に着替えて、くつろいでいた。
エミリは、今日の出来事を思い出していた。実は最初、エミリはとても不安だった。村長が何か、変なことをしないかを心配していたのだ。しかし、それは杞憂に終わった。
「……お母さんにも、ちゃんと話さなきゃ」
エミリは、面白そうに呟いた。




