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#55 忘れていた……
――村長の家
旅行から帰ってきて、普通の夏休みになったチヒロたち。しかし、チヒロと村長は、あることを忘れていた。あの手紙が来るまでは……
「「……」」
村長は、手紙を持ったまま固まっていた。チヒロはその手紙をそっと見て、「とうとうこの日が来たか……」と思っていた。
その手紙には……3日後、村長の娘の『エミリ』が、彼氏を連れてくるとのことだった。
「村長、またエミちゃんが来るまでそんな感じなの?」
「いや……」
チヒロの問いかけに、村長は短く呟く。
「でも、ずっと練習してたんでしょ?彼氏が来た時のために」
「なっ、何故それを……」
チヒロは知っていた。村長が客間に隠れて、彼氏が来た時の対応の練習をしていたのを。無論、チヒロはそれを楽しそうに見ていたというのは、村長は知らない……。
――和菓子屋『あんず』
「へー、いよいよか」
「あぁ」
チヒロは、ナオとかき氷を食べに来ていた。そして、チヒロは家での出来事を話していた。
「また客間に入る時間が多くなるな……」
「見に行こうかな」
心配をするチヒロをよそに、ナオは興味津々の様子。
そして今日の夜、チヒロの予想は当たっていた。客間の中から、ぶつぶつ言っている村長の声が聞こえた……。




