#35 卒業アルバム
――ツキカゲ学園・図書室
「いやー、悪いね」
「いえ、暇だったんで」
チヒロはこの図書室に来ていた。今日は日曜日だが、図書室の本の整理を手伝うために、学校に来ていた。
「後からナオたちも来るんで」
「そう、じゃあ来てから始めよう。ちょっと、待っててね」
そう言って図書室の先生のユウキは、図書室を出てどこかへ行った。チヒロは、まだナオたちが来そうにないと思ったのか、少し本でも読んで待つことにしたようだ。
ちなみにこの後やってくるのはナオとトモの2人。ナオは誘ったらすぐOKしてくれた。トモは、最初は「面倒くさい……」と言っていたが、あの伝家の宝刀『団子を奢る』作戦でなんとかなったようだ。
「おはよー」
20分後、どうやらナオとトモが来たようだ。
「よーし、やっと集まったな」
ナオとトモがやってきて、ようやく作業が始まろうとしていた。
「とりあえずこの古い本を準備室の方へ移動させるぞ、それじゃあ作業開始!」
「うわー、これは多いなぁ……」
「……」
ナオとトモは、山積みの本を見て「はーっ」とため息を漏らす。確かに本の量は多い。一日で終わるかどうか微妙といったところだ。
「まぁ、さっさとやろうぜ」
チヒロは分厚い本を何冊か持って準備室の方へと向かう。重い本を持ち、これをこれから何往復するのか……とチヒロは思った。
「おう、あのスペースに置いといて」
準備室にいたユウキさんの言う通り、空いていたスペースに本を置く。準備室に初めて入ったが、いつのやつかわからない古びた本から同じ辞書、卒業アルバムなんかもあった。
「これ今日で終わりますかね?」
「どうだろうなぁ……とりあえず出来るところまではやろう」
こうして本を何冊か持って準備室へ向かう、そしてまた図書室に戻る……この作業を繰り返して……1時間が経とうとしていた。
「それじゃあ、ちょっと休憩するかぁ」
というわけで休憩の時間になった。
「ちょっと出るけど、しっかり休憩しとけよ」
そう言ってユウキさんは準備室を出る。
「ん、何見てんだナオ?」
ナオが、何を見てるのか確認すると、卒業アルバムのようだ。
「さっきそこに1冊だけあったから。これは15年前のやつみたい……あっ、ユウキさんがいた!」
「よくわかったな……」
ナオが指を差した人物を見てみると、確かにユウキさんのようだ。変わってないなあの人は……とチヒロは思った。この時は今より生徒が多かったみたいだ。
「ん?……ちょっと!」
「えっ、チヒロ?」
チヒロはナオから卒業アルバムを取って、改めて気になった場所を確認する。
「……まじかよ」
チヒロは驚きを隠せなかった。この写真の中にあの人がいたからだ、あの人が……夢の中に出てくるあの女の人が。




