#34 その日、村長は(パソコン編)
――ナオの家
「……というわけで、教えてくれ」
村長は、パソコンについてよく知っているナオの父、タツオミに教えてもらうため、ナオの家に来ていた。タツオミは呆れた顔をしていた。
「村長……またですか?」
「また?」
「いつも説明してたじゃないですか!」
「そうだったか? まぁ、そうだとしても忘れた。だから教えてくれ」
「……」
タツオミは村長の言葉にまた呆れながらも、パソコンについて教えることになった。
「説明書はちゃんと読みました?」
「一応な、だが字が小さくてわからん」
「前回もその前も、そう言ってましたよ……」
タツオミは文句を言いながらパソコンの設定をする。そのパソコンを打つ手際は凄かった。とりあえずあいつに任しとけば問題はないな……と村長は思った。
「ちょっと、村長もちゃんと見て覚えてくださいよ」
「はいはい……」
何はともあれ、パソコンの設定は完了した。
「ふーっ、頑張った、頑張った」
「やったのは、ほとんど私ですけどね」
「……」
村長は聞いてないフリをした。
村長は、チヒロとナオに「村長って、普段どんな仕事してるの?」と聞かれて、困っていた。どう説明したらいいのか分からなかったからだ。
「ワシの仕事はな……村長だ」
……その後、2人に村長の仕事を夕方になるまで話した村長であった。
――村長の家
その夜、村長はパソコンを前に考えていた。
「うーん、今度の清掃作業どうするかなー。チヒロたちにも参加してもらおうか……ん?」
パソコンを見ていると、1つの項目に注目する。それは……
“大人気漫画『ユキさんの日常リターンズ』最新刊発売!”
(……なんだと? この漫画は終わっていなかったのか!? 既に7巻まであるじゃないか……おっ、まとめ買いで購入できるじゃないか!)
「どうしたの村長?」
チヒロが居間の方へとくる。
「あぁ、掃除の時に見つけた面白い漫画あっただろ? 今お前も読んでるやつ……」
こうして漫画の注文を終えたところで、チヒロが「今度仕事してるところ見して」と言ってきた。そして村長は……
「いいぞ、今度な」
今度というのはもちろん、清掃作業のことだがな……と村長は、心の中で笑いながらそう思った。




