#33 トモの説得(?)
――ツキカゲ学園・図書室
「……」
「トモさーん、まだ落ち込んでますかー?」
このやり取りも前にやったと思うが、今日はトモが落ち込んでいた。その理由は、昨日のハルコの『ダイエット宣言』の時だ。あの話は、まだ続きがあったのだ……。
「お菓子作りもやめる!?」
ハルコは『ダイエット宣言』をした後、さらに加えて『お菓子作りをしばらくやめる』と言い出したのだ。
「この太ってしまった原因の一番の理由は、お菓子によるもの!だからそうするの!」
「……」
この宣言に一番ショックを受けたのが……トモだった。ハルコの作る、手作りのお菓子を誰よりも楽しみにしていたのだから無理もない……。相変わらず無表情だが、確かに悲しそうな雰囲気があった。
「まぁ、ハルコも大げさだと思うけどな」
「……」
「けどホントに作らないのかな、これから……」
「……」
チヒロはさっきからなんとか励まそうとしているのだが……今日になってさらに無口になっているトモは、相変わらず俯いていた。
「……決めた」
突然、トモがぼそりと呟いた。
「え、何を?」とチヒロ。
「ハルコのダイエットを辞めさせる……俺が」
チヒロは目をぱちくりさせる。
「どうやって辞めさせるんだ?」
「任せて……」
そう言って立ち上がり、図書室を後にするトモ。
(辞めさせるとは一体どうするのか?説得するのかな?トモが?)
どういった行動をするのか。チヒロはとても気になっていた。
――次の日
「はい、チヒロ!ナオ!」
今日の朝。チヒロとナオが教室に入ると、ハルコが元気よく何かを差し出してきた。それは……クッキーが入った袋だった。
「え、お前お菓子は……」
「そう思ったんだけどね、トモに言われて思ったの。そんな深く考えることないなって!これからも楽しみにしててね、お菓子!」
そう言って、自分の席に戻っていった。そんなハルコに唖然とする2人。
「ど、どういうこと?」
ナオはまだ何かわかってないようだ。チヒロは真っ先にトモの方へ向かう。トモはハルコの作ったクッキーを食べていた。
「トモ、どう説得したんだ?」
「……秘密」
チヒロはとても気になったが、これ以上は喋ってくれないだろうと思い諦める。そしてチヒロは、自分の席に座り、ハルコの作ったクッキーを1つ食べる。今日もハルコのクッキーは美味しかった。




