#32 決めた
――ツキカゲ学園・2年生の教室
「ハルちゃん……」
「……」
チヒロが教室に入ってまず目に入ったのは、机に俯いているハルコとそれを心配そうに見ているレナ。ハルコには負のオーラが出ているように見える。
「何、どうしたんだハルコ?」
チヒロは何があったのか、トモに聞いてみる。
「さぁ……来た時からずっとあんな感じ……」
「でも昨日は普通だったよね?」
「そうだよな……」
チヒロ、ナオ、トモ、はますますハルコが落ち込んでいる原因が分からなかった。
「チヒロ聞いてみなよ」
「話してくれるかな?」
チヒロはそう思いつつも、ハルコに落ち込んでいる理由を聞いてみることにした。
「おう、ハルコ?」
「……」
やはりハルコは何も言わない。
「レナ、ちょっと……」
チヒロはレナを手招きして、ハルコの席から離れた場所に行く。今度はレナに聞いてみることにした。
レナの話はこうだった。ハルコはこのところ、制服のスカートが少しきつくなったように感たようだ。そして昨日、体重計に乗ったところ……案の定だったようだ。
「とはいっても、少しなんだけどね……。ハルちゃんにとってはショックだったみたいで……」
「なるほどね……」
4人はハルコの方を見てみると、相変わらず負のオーラを出しながら俯いていた。
「でもさー、別に今までと変わらないと思うけど」
ナオはハルコに聞こえないように小声で言う。
「でも女子って、少しでも体重が増えてたら嫌な人って多いんじゃないか?」
4人は、もう一度ハルコの方を見る。
「でも……今はそっとしておいた方がいいよな」
「そうだよね……」
「賛成」
「ハルちゃん……」
レナはまだ心配そうだった。
「おはよう」
教室のドアを見るとマモルが来た。
「どうした、みんなで集まって?」
「実は……」
マモルにも今、話し合ったことを伝えた。その時……
“ガタン”
「「「「「!!!」」」」」
ハルコが突然、イスから立ち上がったのでチヒロたちは驚く。そしてハルコは、チヒロたちの方へと歩いてくる。
「みんな……私、決めた」
「え、何を……?」とナオ。
「今日から……ダイエットする!」
ハルコは声を上げそう宣言した……。そんな発言に、5人は唖然とした……。




