#28 そういえば
――村長の家
今日は、ナオが遊びに来ていた。その理由は……今日は村長が新品のノートパソコンを買ってくるので、それを見に来たのだ。ナオは早く来ないか待ち遠しくしていた。
「チヒロは、どんなの買うのか知ってるの?」
「いや、知らない」
「でも、なんでパソコン欲しかったんだろうね?」
「ナオのお父さんが使っているのを見て、自分も欲しくなったんだって」
そんな会話をしていると……「ただいまーっ」と玄関から声がした。村長が帰ってきたようだ。居間へやってきた村長の手には、ノートパソコンが入っている紙袋を持っていた。
「「おーっ……」」
チヒロとナオは、目の前に出されたノートパソコンに思わず声を上げる。そのパソコンは、青色で普通のよりも少し小さめのものだった。
「意外とコンパクトなんだね……」
「持ち運びが便利なのが良かったからな」
村長は念願のノートパソコンに満足そうな顔をしていた。
「早速使おう……と言いたいところだが」
「? どしたの?」
「設定をしなければいけないらしいんだが……全くわからん ナオ、タツオミは家にいるか?」
「うん、いるけど」
「じゃあ今からタツオミの所へ行ってくるから」
そう言って村長はタツオミの所へ向っていった……。
なんで村長はタツオミさんに頼みに行ったのかナオに聞いてみたところ……
「村長って実は機械に弱いんだよねー。テレビとかも父さんに頼んでたからねー」
どうやら村長は、機械については全てタツオミに頼んでいるようだ。
「それなのにパソコンを使いこなせるのかな……?」
「それにしても嬉しそうだったねー」
「ずっと欲しかったらしいからね、仕事とかもこれではかどるって言ってたよ」
(使い道は仕事だけじゃないと思うけどな……仕事?)
チヒロは、『仕事』という単語に引っかかった。
「ナオ……」
「ん?」
「そういえば、村長の仕事って……何?」
チヒロがこんな疑問を持った理由……それは村長が仕事しているところを、チヒロは実際に見たことがなかったからだ。村長のそばにいて1年経つが、それらしい姿を見たこともなかった。
「村長の仕事は、村長じゃない?」
「例えばどんな?」
「「……」」
それから2人は村長が家に帰って来るまで、村長の仕事について考えるのだった……。




