表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/83

#16 宝?

――オオツキカゲの奥


「着いたぞー」

 ケンイチを先頭に、オオツキカゲの奥までやってきた4人。そこには、先が見えない洞窟が確かにあった。

「ちょっと……暗くない?」

 ナオは不安そうだ。

「そりゃあ洞窟だからな……」

洞窟の入り口付近を見てみると、確かに少し薄暗い。

「っていうか……ここに洞窟なんてあったんだな?」

「俺も知らなかった……」

 ナオもここに洞窟があったのは、初めて知ったようだ。


話していると、ケンイチとケンジがそれぞれ下げていたかばんをおろして何かを取りだし、それを上へ掲げる。

「探検のひちゅじゅひん、懐中電灯!」

「必需品な」とチヒロは訂正する。

「まぁ、2つあれば大丈夫でしょ」

「それじゃあ……行きますか」

 ケンイチとケンジは懐中電灯の明かりを点ける。行く直前にチヒロは、もう1つの懐中電灯は自分が持つことを提案すると、ケンジがそれを承諾して俺に懐中電灯を渡す。そしてケンイチを先頭にようやく4人は洞窟の中へと入っていった……。


 ……歩き始めてから5分、今のところ変わったところはなし。洞窟の中は全く暗いといった感じではなかった。しかし明かりがないと少し歩くのが不便になりそうだ。

「おっ、見つけた!」

 先頭を歩いていたケンイチが、急に声を上げる。懐中電灯で一回り大きい岩に灯りをあてていた。

「なんだ?」とケンジ。

「ここだ……」

 ケンイチが灯りをあてている岩に指を差す。そこをチヒロたちも見る。そこには白いチョークみたいなもので何か書いてあった。


「えー……『花がいっぱい』……?」

「何だこれ?」とナオは首を傾げる。

「暗号だな……」とケンイチが岩に手をあてて呟くと「暗号だね……」とケンジも同意する。

「え、そうなの?」とナオ。

「そう、この洞窟には謎が隠れているんだ……この先にも、何かこの謎に関係するものが出てくるかもしれない……」

 ナオの問いかけにいつになく真剣に述べるケンイチ。果たしてそんな謎があるのだろうか……とチヒロは思った。


 さらに進んでいくと、初めて広い場所に着いた。耳を澄ますと川が流れる音が聞こえる。最初のところよりはここは少し明るかった。これなら懐中電灯がなくても大丈夫そうだ。少し疲れたため、チヒロたちはここで少し休憩することにした。チヒロとナオは、座って水を飲んでいた。ケンイチとケンジは二人そろってこの場所を徘徊している。

「もうすぐ出口かな?」

「そうかもな」

「ねぇ……ここって入っちゃいけないところとかじゃないよね?」

 ナオは再び不安になる。そんなナオにチヒロは「だめだったら入るの禁止にしてるだろ」と言うと、ナオは「そう言えばそうか」と納得したようだ。


「「あーっ!!!」」

 ケンイチとケンジが揃って大声を出した。洞窟だからか、声が響く……。

「どうした?」とチヒロが2人に声をかける。

「あった、新たな暗号が……」とケンジ。

 チヒロとナオは何か書いてあるところに注目する。そこには『花はたから』と書いてあった。

「たからって……宝物の宝?」

 ナオが不思議そうに言う。

「ってことは……この先に宝物が!?」とケンイチが目を輝かせる。

「いや、それはわからんが……」

「こうしちゃいられない! 早くこの先行ってみようぜ!」

「おー!」

 そしてケンイチとケンジはさっさと歩いて行ってしまった。

「おいちょっと待てお前ら、一緒に行動しろ!」

「待ってー」

 慌ててチヒロとナオも後を追う。果たして、ケンイチの言う通り宝はあるのだろうか?

……次回へ続く


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ