＃12 テスト勉強
――テスト前日
「……」
チヒロとナオは、いつものように一緒に学校へ向かっている、いつもと違うのは……ナオは現在、単語帳を持ってぶつぶつと呟いていた。チヒロがそっと見てみると、歴史について書いてある単語帳のようだ。何故、ナオはこれをやっているかというと……
――3日前
「えー……じゃあお前らにはこれを渡そう」
ユウキのテスト勉強2日目。2年生たちは図書室に集まっていた。そしてユウキが持ってきたのは、たくさんの単語帳だった。
「それぞれ苦手な教科の単語帳を取ってけー」
2年生たちはそれぞれ単語帳を取っていく。その単語帳はきれいな字でわかりやすく書いてあった。
「今日からその単語帳も使って勉強しろよー、とにかくまずは暗記だ！これまで勉強した部分はしっかりと覚えておくこと……」
――現在
「……チヒロ」とナオが初めてチヒロに話しかける。
「どした？」
「ちょっと問題出してよ」
「いいよ」
こうして問題を出し合っているうちに学校に着いた。
――ツキカゲ中学校・2年生の教室
教室に入ると、ハルコとレナ、トモとマモルがそれぞれペアになって問題を出し合っていた。そんな中……
「おう、マモル？」
「ん……？」とマモルは振り返る。マモルの目の下にはクマがくっきりと出ていた。
「だ……大丈夫か？」とチヒロはとても心配そうに話しかけた。
「あー……うん」
「よりいっそうクマが出てきてるけど……」とナオも心配する。
「大丈夫、だいじょう……ぶ……」
言い切る前にマモルは机に倒れる。
「マモル！？」
突然のことにみんな驚くが、しばらくして寝息の音が聞こえる。どうやら寝てしまったようだ……。
「こりゃあ昼まで起きねぇな……」
――昼休み
「寝てしまったー！！！」と起きた途端に大声を出すマモル。
「あ、おはよう」
「あぁ、おはよう……じゃなくて！早く！単語帳、単語帳……」
マモルはかばんの中から単語帳を雑に出し、すぐに勉強を始める。
「忘れてしまっている……早く、早く……」
「あんなに勉強を熱心にやっているマモル初めてみるな……」
「頑張ってるねー」とナオ。
「お前も頑張らないと、お前も補習の候補なんだぞ」
「……そうでした」
その後、いつもどおり授業を行い、最後のユウキのテスト勉強も終えて、明日のテストを迎えることとなった。
――テスト当日
「……はい、そこまで！ プリント出してー」
「終わったー……」
緊張の糸が切れたのか、ナオは机に顔を伏せる。
「お疲れさん レナとマモルはどうだった？」
チヒロは2人に確認する。
「とりあえずは覚えてたから……大丈夫だとは思う」とレナは少し不安そうだが手ごたえはあったようだ。そして、マモルの方は……
「……」
「マ、マモル？」
「今まで覚えたこと全部忘れた……」とマモルは気が抜けたように答える。
「あ、そうなんだ……」
「……とりあえず寝る」とマモルは机に顔を伏せる。
「あ、うん お休み……」
その後もテストのことを話をしていると、誰かが教室に入ってきた。
「テストお疲れ様ー」
「ユウキさん！」
「どうだった、手ごたえはあったか？」
「まぁ、俺はいつも通りやりました」
「私は今回のテスト対策でさらに勉強が向上できたと思います」とハルコ
「俺も頑張れた！」
「私もー」
ナオとレナも話に加わる。トモはいつの間にか寝ていた。こうしてテストは終わった。結果は明日、果たしてどうなるか……。
……次回に続く
