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第一章 遥かなる宇宙《そら》の向こう(4)

かつて金星中を揺るがした麻薬に関しての、光輝・シェルダン・浅霧それぞれのエピソードについては、後日別の機会で語られる予定です。

第十五艦隊設立に欠かせない人材たちの登場を、お愉しみ下さい。

          4


「いや…ノティーツ大佐って…。深手を負っ

て、話も出来ないって…第一艦隊が引き上げ

た時に一緒に本星に運ばれたんじゃ……」

 オルドリアン達が昏倒しているだけでも、

充分に「何があった」状態だったところに、

目の前の、これである。

 事態が飲み込めないとでも言いたげなスタ

フォードに、隣のカルノーも、首を激しく縦

に振って、同意している。

「話が出来ない、と言う点はあながち間違い

でもないが」

 近くの壁に背を預けていたシェルダンは、

元来た方向に視線を向けたまま、腕組みをし

ていた。

「本星で入院させる危険の方が高いと判断さ

れたか……」

 スタフォードとカルノーが、シェルダンの

視線を追うと、その先には立ち尽くす(ロウ)がい

る。

「さしずめ、シーディア大将の指示と言った

ところか、稜少佐?トルナーレ大将は、そも

そも()()()()()には向いておられない」

「………」

 稜の無言は、肯定か。


「…なあ。さすがにちょっと、説明求めても

良いか?」

 戦略的な部分はシェルダンに任せ、戦闘の

「駒」に徹するつもりでいたスタフォードだ

ったが、ここまで来ると、無視で良いとは思

えない。

「准将の私見とやらで良いよ。…っつーか、

多分間違ってないだろ、准将の私見って?」

 私見だ、と会話を強制終了させられる前に

釘を刺したのは、日頃の付き合いの為せる技

だろう。

 一瞬だけ視線を険しくしたシェルダンだっ

たが、そこで話を混ぜ返す事はしなかった。

 トントンと、自分の首筋を人差し指で軽く

叩く。

「戦闘でのケガにばかり目を奪われていたが、

当時のノティーツ大佐にも、痣らしきものは

あった。ノティーツ大佐に目を覚まされては

困る()()()()()、目を覚まされては困る、()

()()()()。そう判断した。だが回復したとこ

ろで話を聞こうにも、軍病院に入院した形跡

すらない。なら、どこにいる?……まぁ、消

去法だな。軍病院の中とて一枚岩じゃない。

箝口令と証人保護を厳命したとて、綻びは出

る。ならば基地に残した方が良いと判断され

たんだろう。恐らくは軍病院の医師連中より、

稜少佐やカオルの方が腕は上だ。それに…」

「それに?」

 珍しく言い淀んだシェルダンに、スタフォ

ードが興味深げに続きを促す。

 何とも言えない表情で、シェルダンは部屋

の周囲を見回した。


「防弾、ダクト内の異物除去、盗聴防止、火

器水道設備の第一級保護…だったか?正直、

基地責任者の部屋よりも保護されているのが、

この医務室だ。見取図を見た時は、驚くより

も先に少し呆れたくらいだった」

「カミジョウ少将の執務室よりも厳重な医務

室……」

「毒ガスの噴霧、手榴弾の一つや二つ…では、

ビクともしないだろうな」

「どんなだよ!」

 思わず、ツッコんでしまったスタフォードは、

悪くない筈だ。

 ――さすが〝最恐〟の医務室。

()()()この部屋が医務室になったのは、第

一艦隊撤収後。シーディア大将たちが、ここ

を〝天の岩戸〟にしたかったのであれば、少

なくともノティーツ大佐の意識が戻るまでは、

黙認しておこうと思っていた。堪え切れずに

手を出そうとする輩が出れば、それはそれで

事態の進展だしな。実際何人かは、兵士間の

揉め事を装って、事を起こしている。大した

策も授けられてない、末端ばかりだったが」

「……っ」

 なるほど、と呟いたスタフォードの視線の

先で、息を呑んだのは、稜だ。

 医務室にこもって、中和剤精製に没頭して

いた稜は、医務室の外で騒ぎが起きていた、

などとついぞ知らなかったに違いない。

 無言のまま、薬品棚の向こう、診療室側に

いると思われる浅霧に視線を向ける。

「人手が足りないからって、基地のNO.2

の事務仕事を肩代われとか、無茶振りするヤ

ツがいるんで…手が回らんわ!って文句言っ

たんですよー。そしたら「兵士間の揉め事に

関しては、カミジョウ少将の名前で、問答無

用で営倉入りで良い」と、お墨付き貰ったん

で…遠慮なくそうしてましたー」


 棒読みである。

 稜の視線に答えたと思われる浅霧の返事は、

いっそ清々しいくらいの、棒読みである。

 ついでにですねー…と、さも何でもない事

であるかのように、言葉が付け足される。

「タダのケンカと、そうでない揉め事と、営

倉分けましたー。頼まれもしないのに、俺っ

て、何て親切ー。何か時々、カミジョウ少将

()()()()()()サマが、誰が捕らえられてる

のかって、顔見に来てましたけど、俺、しが

ない大尉なんで、それ以上は詳しく聞いてま

せんー」

「子どもか、おまえは!」

 すぐさま反応したシェルダンが希少種と言

うべきで、稜やカルノーは完璧に絶句してい

た。


「しがない大尉だの下っ端前線士官だの…世

の一般兵に謝れ」

「うわ、とばっちり!」

 スタフォードの立ち直りが2人よりも早か

ったのは、日頃からシェルダンと接している

からだろう。

「ちなみに、捕まった連中は、何か言ってん

の?黙秘?」

「総じて『薬を寄越せ』。長い駐留生活に耐

えかねて、精神安定剤と思って手を出した…

(てい)ではあるけど、ホントのところは、どうな

んだか…って、怖い顔しないで下さいよ、(ロウ)

少佐。アナタは『誰が味方か分からない』と、

思ってた。俺は、少なくともアーレス•シェ

ルダンが敵にはなり得ない事を知ってた。そ

の差ですよ。それに多分、上層部の立場とし

ては、アナタには中和剤の精製に全力を注い

で欲しい、俺を置いておけば准将が()()()

況を読んで、カミジョウ少将に報告を上げる

…そこを狙ったんだと思いますよ?何かあっ

た時に、本星にいちいち指示を仰いでいたん

じゃ後手に回りますからね。信頼されてるの

か、丸投げされてるのか、手のひらの上なの

か…」


 スタフォードの質問と、稜の無言の不満と

に、浅霧は器用に答えていた。

 薬品棚に隠れて見えないが、肩を竦めてい

るであろう事が、手に取るように分かる。

「…医務士官から引き抜こうとするヤツいる

の、ちょっと分かるわ…」

「…同感です…彼を大尉とするなら、自分の

少佐職が、おこがましいとすら思えます……」

 本人や稜に聞こえない程度の小声で、思わ

ずスタフォードとカルノーが呟いている。

 稜自身は、意識不明のノティーツを回復さ

せる事、それまで基地内でのノティーツの存

在を隠し通す事を恐らく命じられたのだろう。

 ――内部に裏切者がいる前提で。

 だから、光輝•グレン•カミジョウや、シ

ェルダンにも、何も言えなかった。

 一方の浅霧は、医務士官として、稜のフォ

ローを命じられた。

 ただし彼は、光輝やシェルダンが、元凶も

ろとも殲滅しかねないくらいに“エンヴァハ

ーダ麻薬”に怨恨があり、裏切者にはなり得

ない事や、その2人に、ノティーツを匿って

いる事が気付かれない筈がないと言う事を、

分かっていた。

 とは言え、それ以外の敵味方の区別につい

ては曖昧だったために、主にシェルダンに対

してのみ、明け透けに仄めかす行動に出たのだ。

 ――それが、自分と稜が消される可能性を

確実に潰すと分かっていたから。

「そうか、だから准将、営倉番にわざわざバ

レンタ大尉置いたんだ。営倉番にしちゃ過剰

戦力だと思ったけど…」


 揉め事を起こした兵を営倉入りさせれば、

いきおい、営倉内は疑惑人物の巣窟となる。

 マレシュ•バレンタ大尉は、シェルダンの

ボディガードを務めた事がある程の偉丈夫だ。

 オルドリアンに、問題兵士の処理について

の指示を出した際、シェルダンが併せてそん

な指示を出していたのを、スタフォードは思

い出した。

 ――営倉内で反乱など起こさせないために、

彼ほどの抑止力はない。

「なら俺は、ここにいた方が良いのか?いく

らこの部屋が、手榴弾くらいじゃビクともし

ないっつっても、中に乗り込まれたら、弱い

よな?」


 稜と浅霧個人の「腕っぷし」の問題を考え

た場合には、そこは決して強くはないと、見

た目にも分かる。

「書類仕事を分ける、と言う意味では私がい

る方が自然だとは思いますが、正直、2人の

『楯』となる以外に、何かが出来る気がしま

せん…」

 文系を自認するカルノーも、悄然と同意し

ている。

 だがそんな2人に、シェルダンは「ここの

事はいい」と、落ち着いた声色で答えた。

「ここが、稜少佐の趣味と実益を兼ねた〝新

薬実験場〟と化している事を、今、敵味方誰

も疑っていない。例え中和剤精製や、侵入者

の足留めになるような、睡眠や痙攣導入スプ

レーの開発が、そこに紛れていようとも…だ。

下手にスタフォードがいると、余計な憶測を

呼ぶ。おまえは、いざと言う時なるべく早く

駆けつけられれば良い。それまでは――カオ

ルに時間を稼がせる」


「……何のスプレーって?」

 思わずスタフォードが聞き返してしまった

程、それはさりげない一言だった。

「女性向け、暴漢撃退用スプレーの研究が、

目下のカオルの趣味であり、実益だった筈だ。

浴びせたら寝るとか、痺れるとか…各種取り

揃えで。営倉の連中以外を実験台にするんじ

ゃないとは、釘は刺してあるが」

「…そこ、()()()()実験場扱いで良いのか?」

「アイデアは貸していたと聞くが」

「…あぁ、そう……」

 生温い、スタフォードの視線の先で、稜が

やや怯んでいた。

 彼はようやく、自分が新薬精製に全力を注

いでいられた事の背景を理解したのである。

 稜少佐、とそこにシェルダンの冷静な声が

降りかかる。

「貴方はこのまま、3人を確実に目覚めさせ

る為の薬の研究を。何かあれば、浅霧大尉経

由で」

「過重労働だろう⁉いざと言う時の時間稼ぎ

まで、俺かよ!」


 稜が何かを答える前に、薬品棚の向こうか

ら、浅霧が抗議しているが、シェルダンの表

情は微塵も揺らがない。

()()なったら、催涙弾とか防煙マスクとか、

別の実験も出来るじゃないか。私の配慮に、

むしろ感謝して跪いて欲しいくらいだ」

「あぁ、それはいい…って、いや、それでも

おまえに感謝して跪くのだけは納得いくか!」

(実験はいいんだ)

 スタフォードの内心のツッコミは、稜の表

情にもカルノーの表情にも浮かんでいるが、

浅霧にはそれは見えていない。

 そもそも、と苛立たしげな声だけが続けざ

まに聞こえてくる。

()()と言う事態になる前に、おまえがとっ

とと何とかしやがれ、アレス。怪しげな薬の

流通を追うだけだったら、ここまでの事には

なっていないだろうが」

「えっ、そうなのか?」

 思わず声に出ていたのはスタフォードだが、

稜もカルノーも、同じ疑問が表情に出ていた。

「鋭意調査中」

 両の掌を見せ、肩を竦めるように軽く上げ

ながら、シェルダンは、それしか答えなかっ

た。

 どこかの官僚答弁のようだと思ったが、そ

う言われてしまうと、スタフォード達は反論

の術を持たない。


「シェルダン准将。私はお言葉に甘えてこの

まま、より速効性のある中和剤、あるいは回

復薬の作成に注力させて頂きます。ただ、貴

方の仕事を一部肩代わってきた浅霧大尉は、

本人が思うよりも危険に晒されてはいません

か。上層部のやりように、分不相応に口出し

はしたくないが、そこだけは、私としても見

過ごせない」

「まぁ…少なくとも、貴方より晒されている

事は間違いないが」

 シェルダンは、こう言う時言葉を飾らない。

 己の不甲斐なさを突きつけられた気がした

のか、稜が微かに顔を顰めている。


「ただ、カミジョウ少将や私が今している事

は、最終的には浅霧大尉自身の利点にも繋が

っている。彼もそれを分かっているから、や

らないとは絶対に言わない。何、私も彼も、

胴体から首が離れかけた経験が昔にあるから、

ちょっとやそっとで怯むような神経は、今更

持ち合わせていない」

「⁉︎」

「途中までは不本意ながら同意してやるが、

最後は一緒にするな。俺は、おまえと違って

繊細だ!」

「あー…」

 稜やカルノーは、目を真ん丸に見開いてい

るが、少なくとも、シェルダンの言うところ

の「胴体から首が離れかけた経験」を知るス

タフォードは、乾いた笑いと共に、あらぬ方

向へと視線を投げた。


「ま、まぁ、結局、准将たちは『何か』追っ

てて、薬の話はその中の一部、ここの3人は

巻き込まれた…って事で良いんだろ?」

 これ以上、この部屋とノティーツの存在を

晒してはマズかろうと、スタフォードがわざ

とらしい咳払いをして、話を纏めようと試み

た。

 シェルダンはそれには答えず、胡乱げにス

タフォードを見やった。

「純粋に巻き込まれた可能性も否定はしない

が、()()()()の人間である可能性も、私は否

定しない。回復して目を覚ますまでは、全て

の可能性を考えて、潰していく」

「えっ、オルドリアン疑うのかよ⁉︎どう考え

ても、不幸な目撃者って感じじゃね⁉︎」

 スタフォードの叫びに、思わずカルノーも

同意しかけていたが、対するシェルダンは、

それをバッサリと切り捨てた。

「言った筈だ。可能性を全て潰すと。推定無

罪では、話が進展しない」

「そりゃ、そうかも知れないけど…」

「私は何も、おまえがそう思って動く事にま

で、制限をかけるとは、言っていない。あく

まで、私の立ち位置と言う話だからな」

「そうそう、そこは将官(アレス)の給料仕事と思って

やってよ、スタフォード少佐ー」

 スタフォードの何とも言えない表情が見え

た訳でもあるまいが、薬品棚の向こうからは、

そんな軽い声が追従される。


「…おまえに言われると、不本意に思えるの

は何故だろうな、カオル」

「単に図星ってだけだろ、俺に八つ当たりす

るなー。…ってか、そろそろいいだろう、そ

こ?スタフォード少佐も、それが言いたいん

じゃねぇの?〝天の岩戸〟が、さっきから開

きっぱなし」

 絶妙な浅霧のフォローに、スタフォードが

思わず、ブンブンと音がしそうな勢いで、首

を縦に振った。

 流石に「脳筋」とは言われたくないのだが、

こと、範囲をこの部屋に限定すると、恐らく

はスタフォードが最も「武闘派」だ。

「ノティーツ大佐は、もうちょいかかるなぁ、

多分。何しろ今回の2人よりも、計画性が高

かったっぽいからな。打たれた量が比較にな

らない」

 稜、カルノー、スタフォード、シェルダン

と、奥の部屋を出たところで、そんな言い方

を、浅霧はした。

「命を取り留めたのが不思議なくらいだった。

現に、タイムラグはあったようだが、同じよ

うな症状で倒れていた副官の方は、助からな

かったんだ」

「リュシュカ•ルーサ少尉…でしたか、確か。

と言うか、ノティーツ大佐もルーサ少尉も、

地球軍との戦闘が原因じゃなかったんですか⁉」

 そこで当たり前のように副官の名前が出て

くるのが、カルノーだ。

 シェルダンを除き、それぞれの個性に応じ

た、何とも言えない驚きの表情が浮かぶ。


「ここ元々、跳躍(ワープ)の中継地点になる確率が高

い要衝だしな。薬含めた物資の流出以上に、

航路データの流出にも気を遣わないとだろう?

特に基地責任者としてのノティーツ大佐の地

位を考えれば、どれもこれも、あり得そうな

原因なんだよ。大佐の治療やら、副官の死因

やら調べている時、エラい形相で、シーディ

ア大将からの口止め(ストップ)かかったからなぁ」

 浅霧の口調は軽いが、稜が居心地悪そうに

身じろぎしたところを見ると、当時の第一艦

隊上層部からの圧力は、相当なものだったの

だろう。


「多分それは…『コレを戦闘でのケガに紛れ

させてしまおうとか…やらかした連中、医務

士官を舐めているのか?』とか何とか、憤慨

していたからじゃないかとも思うが……」

 囁きにも近い、稜のバリトン声が、居並ぶ

全員の鼓膜をくすぐる。

 敢えて『誰』が憤慨していたかを言わない

稜に、若干の気遣いはあったのかも知れない

が、自明だとばかりにシェルダンが、半分呆

れたように嘆息した。

「自業自得だな、カオル。おまえが、あくま

で戦闘中のケガだと思っておけば、余計な事

はするな…とか、その程度の圧力で済んだだ

ろう。まぁ薬が必要な以上、稜少佐が関わら

ずに済むのは、難しかったかも知れないが」

「思えるか!アホの子か、俺は。そもそもア

レを見抜けないとか思われた時点で、ケンカ

売られてるだろ。買うだろ。医務士官が医療

の事しか分かってないと思ってるなら、早晩

後悔しやがれ」

 普通、医務士官は医療の事しか知りません

――スタフォードとカルノーは、それぞれに

そう思い、薬の知識に特化している状態の稜

も、そっと視線を逸らした。

「……だから私は、いざと言う時までカオル

で充分に時間が稼げると言ったんだ」

 至極真面目な声で呟くシェルダンに、反論

の声はあがらない。

 短い舌打ちと共に、そっぽを向く浅霧も、

来るなら来いと言う雰囲気だ。……過重労働

の話はどこに行ったのか。


「フランチェーゼ、オルドリアン両大尉の件

は、私からカミジョウ少将に報告しておく。

……医務室は、任せる」

「おー、行って来い行って来い。っつか、な

んかあっても勝手に先走るなよ。任されては

やるが、尻拭いまでは引き受けねぇからな」

 冷静沈着ではなく、沈着()()と言われるシ

ェルダンには、意外と好戦的な部分がある―

―事を知るのは、浅霧が同期である故かも知

れない。

 大尉が准将に釘をさすなど、通常ではまず

ない事なのだが、医務室がほぼ治外法権であ

る事を、浅霧は自覚して、利用している。

「……覚えておこう」

 同期の中でも、突出して頭の回転が早い浅

霧との会話は、昔も今も、刺激が多い。

 シェルダンは不敵に笑うと、医務室をあと

にした――。


今回より後のお話しについては、薬オタクの稜一忍は、ほとんど喋らない可能性があるので、とても貴重です(笑)。

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