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認めろよ

「翔太って知っているか」

 こうの口から衝撃の一言が発せられた。

 何故、こいつがあいつのことを知っているんだ。小学校は違ったよな。

「おい、聞いてるか」

 僕が考えこんでいると、なかなか返事が返ってこないからか『聞いてるか』なんていう言葉がこうの口から発せられた。だが、僕はその言葉が聞こえてはいなかった。

 だとすると、何でこいつが翔太のことを知っているんだ。・・・翔太なんていう名前は沢山あるか。きっとこいつはあの翔太ではなく、違う翔太のことを言っているんだろう。

「その翔太って苗字は?」

「えっと、確か・・・尾口・・・だった様な」

 こいつ今尾口って言ったか。僕の聞き間違いかな。おかしいよね。だってこいつ小学校は違ったし、昔あったこともないし。きっと、同姓同名の違う人だ。まあ、ここはとりあえず知らないということで。

「知らないな、僕は」

「そうか・・・実はさそいつもう死んじまってるんだ」

 うわー、どうしよう。僕の知っている尾口翔太も死んじゃってんだけど。随分とすごいこともあるんだね。同姓同名の人が僕の知っている翔太と同じく死んでしまっているなんて。

「それは悲しいな。でさ、この話もう終わりにしない」

「そうだな」

 はあ、終わってよかった。このまま話していたら、僕がおかしくなりそうだし。・・・認めろよ、僕。こいつの言っている尾口翔太は間違いなく僕の知っている尾口翔太だって。認めたくなかったのかな、僕は。何かもう、よく分からなくなってきた。

 

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