日記
気になる。すごく気になる。なんだったんだよ、あの夢は。気にしないようにしようとしたけど、どうも頭から離れん。気になる。これじゃあ、授業に集中出来ん。どうしよう、まじどうしよう。
「おい、何暴れてんだよ」
「え、あ、いや、暴れてなんかねえよ」
「嘘つけ。もう、何も聞かねえけど、とりあえず暴れるな」
「おう、分かった」
3時限目になり、あの夢のことは気にしないようにしていたが、今日はずっと頭から離れなかった。そのせいで、授業に集中出来ずにいたところ、だんだんと頭が回ってきて、僕は頭を抱え暴れていた。そしたら、後ろの席の智也に注意された。
暴れるなと言われても、あの夢のことが気になって、気になって、最終的に頭の中がおかしくなり、暴れてしまうんだよ。こんなんなら、授業より夢のこのを優先して、家でじっくりと考えたい。・・・だったら、頭が痛いとか何とか言って、早退すればいいんじゃん。僕って頭いいー。という訳で、早退しよう。
「先生、僕頭が痛いので早退します」
「頭が痛いだけなら、ちょっと待ちなさい」
僕は、先生の言うことを無視して、さっさと家に向かって帰った。
先生の言うことをいちいちきいていたら、家に帰れないからな。あの先生いろいろと細かいんだよ。
「あら、早かったわね」
「ああ、ちょっと調子が悪かったから早退してきたんだよ」
「そう、大丈夫?部屋で安静にしていなさい」
「分かった」
家に着くと、母に嘘の事情を説明し、部屋に入った。
はあ、良かった。嘘だってことばれなくて。
とりあえず、椅子に座り、机に向かった。
さて、夢のことだが、気になるから答えってのを見つけてみるか。答えにつながることがあるかもしれないから、日記をつけてみるか。ノートは、これでいいか。
僕は、ほこりまみれになったノートを見つけた。買いに行くのも面倒臭いからいいかなと思い。ノートにのったほこりを手で払い、1ページ目を開いた。
えっと、最初は・・・。
6月19日
昨日、変わった夢を見た。
死んでしまった翔太が、僕にお願いがあるという内容だった。でも、そのお願いはある答えを見つけなければならないという。だが、最初の言葉だけは聞こえた。それは、『君達』だった。だから、これからその答えのヒントが1日1日に隠れているかもしれないので、この日記をつける。
今日は、僕はこの夢のことが気になり、早退して、家でじっくり考えることにした。そして、今日は、あいつらとは1回も話していない。
僕はこの日記をその答えというものを見つけるまで書き続ける。死ぬまで書き続けているかもしれない。もしかしたら、答えは見つけられないかもしれない。死んでも、書き続けるかもしれない。それでも僕は、何があっても、書き続ける。
「今日はこれぐらいかな」