幼馴染4人組
「さっさと帰ろう。今日は疲れたし」
「そうだな」
「そうだね」
「そうね」
僕が言葉を発すると、皆、同じ様な言葉を返した。
このまま、こんな空気が続いたら居づらいし。本当、何でもう仲良くもないのに、まだつるんでいるんだろう。何か、つるんでいる理由がもう分からなくなってきた。流石に疲れてきたな。
僕達は、その後何も会話をせず、燐、智也、沙羅、僕の順で歩を始めた。
この、皆で歩く、帰り道もいつもいやな空気だからいやなんだよな。何も話さないんだから、わざわざ一緒に帰る必要もないと思うんだけど。
僕達は、やはりその後もいつも通り何も会話をせずに、帰り道を颯爽と歩を進めた。
早く帰りたい。この空気耐えらんない。
皆、どんどんと早足になっていった。皆も、この空気に耐えられなくなっているようだ。
早く一人になりたい。もう嫌だ。
皆、どんどん早足になっていくなか、やっと分かれ道にまで着いたのだ。ここで、不思議なことに皆、別れ、4人の誰もが一人になる場所だった。
分かれ道でも、皆、別れも言わず、颯爽と自分の家までの帰り道にいつも通りに行く。
最近では、この何も言わずに別れるのも慣れてきてしまったな。・・・慣れてもいいのかな。大丈夫なのかな。まあ、たぶんこの先もこんなんだろうから、いいのかもしれないな。
そんなことを考えている間に家に着いてしまった。
何か、今日の帰りはいつもよりも長かった気がする。気のせいだけども。
「あら、お帰り。今日はずいぶんと早いお帰りね」
「え?」
どうやら、長いというより、いつもよりも早かった様だ。
家に帰ると、僕は部屋にこもった。
あまりにも、あの空気が長かった気がして、疲れてしまった。
「寝よ」
夕ご飯も食べずに、僕は疲れたため、眠りに入ってしまった。まあ、昨日寝てないのもあるけども。
そして、僕は変な夢を見て、夜中に目が覚めてしまった。
何だったんだ、あの変な夢は。というか、あの人は・・・翔太だった気が・・・。