学校で
――あの日に戻れるのだろうか。
「なあ、海斗」
「あ?」
「今って何時限目?」
「6時限目だよ。んなことわざわざ僕を起こして聞いてくんなよ。せっかく気持ちよく寝てたのによ」
「いいじゃんか」
後ろの席の幼馴染・臼井智也が、寝ている僕を起こし、しょうもないことを聞いてきた。
一回起きたら僕寝れないのに。昨日はゲームを夜中も寝ないでやっていたから、眠いんだよ。ま、頑張って寝てみっか。
3秒で眠ることができた。
智也は、海斗を「バカか」という様な目で見た。それもそのはず、先生がこちらをがん見しているというのに寝てしまったからである。
そんなこととは露知らず、海斗は眠り続けた。
「熊木くん、起きなさい」
先生は、海斗に近づいてきた。
「起きなかったら、補習にしますよ」
「はい!おはようございます」
海斗は補習という言葉を聞くと、すぐさま起き、姿勢を正した。
そんな海斗を見て、先生は呆れたような顔で「はあ」とため息を吐き、黒板に向かって歩を始めた。
先生が黒板の前まで行くと、鐘がなった。
どうやら6時限目は終わった様だな。やっと、家に帰れる。
「起立、礼」
日直が号令をかけ、6時限目は無事終わりを迎えた。
先生ったら、寝るぐらいいいじゃないか。寝てる奴なんてそこら中にいるのに、僕だけに怒るとか意味分かんねーし。
ブツブツといろいろと先生の文句を言っていると、智也に話しかけられた。
「お前、何をブツブツ言っているんだ。怖いぞ」
「僕は周りに何を思われようがどうでも良いんだ。だから、僕が周りから怖いと思われてもどうでもいい」
「おい、それはやばいぞ。すごくやばいぞ。お前、感情あるか」
何言ってんだこいつ。感情ぐらいはあるに決まっているじゃないか。僕はただ周りに関心というよく分からないものがないだけだ。
またもや僕がブツブツと言っていると、またもや智也が話しかけてきた。
「お前こ…、一緒に帰ろうぜ。あいつらも誘って」
「おう、そうだな」
こいつ、最初何を言おうとしたんだ。どうでも良いけど。