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東と燈[invisible days]  作者: ぱてぃる
7/17

1日目-7-

 つい先ほどまで不安な気持ちで一杯だった私だけど、東さんと一緒に居る事と、初めての新幹線に少し心躍った。


「わぁ、あれって富士山ですか!?」


 思わず、東さんの膝の上にお邪魔しているのに飛び跳ねて窓の外を眺めてしまう。バフンバフンと、東さんの上で何度も体重をかけていた事にしばらくして気が付き思わず顔を赤らめてしまう。


「あの、さっきは一人ではしゃいじゃってすいませんでした。あの、これは?」

「ほら、腹減ってるだろ? 一つやるよ」


 小さなアルミ製のお弁当箱の中には、おむすびが二つ入っておりその内一つを私に手渡してくれる。ラップにくるまれた真ん丸なおむすびは、中に梅干しが入っており私の心をほっこりさせてくれた。


「おいひいです」

「そうか、ほら」


 続いてパックのお茶を一つ受け取ると、チュッチュと半分くらい飲んだところで東さんの分のお茶が無い事にきがつき、はいっと私は東さんの手にお茶を握らせる。


「えへへ、すいません。私ばかり飲んじゃって。まだ半分くらいは残ってる、はずなんで」


 一人でグイグイ飲んじゃったことに照れ、照れ隠しに笑いながらお茶を渡すと、少し戸惑いながらも東さんもお茶をチューと飲み始めた。


 ここでやっと、久々に笑ったことに気が付く。当たり前の日常は無くしたけども、私はまだ笑う事が出来るんだな、と前向きに考える事にした瞬間でした。


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