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遊人倶楽部  作者: ヨコワケデュガリー
活動記録02 遊び人たち
7/28

二次元

「で、貞治君はアイビーが好きなの?」

絹恵が貞治に尋ねてきた。

「あぁ、アイビーが好きでね、

VANのブレザーが好きなんだ」

貞治が答えた。

「で、ヘアワックスは何使ってる?」

「MG5さ」

「なるほどね、やっぱみんな今日もお洒落でいいね

千恵子とキャロルは今日もかわいいし、貞治君と壮吉君は

今日もかっこいいもん」

絹恵が笑顔を見せる。

「そう? 絹恵ちゃんだって

かわいいよ、さすが服飾部」

キャロルが笑顔を見せる。

「ありがとう、キャロル」

絹恵が笑顔を見せる。

「でもあいつは今日もダサいね」

絹恵が指差した先には、勉強机で

漫画を描く健二の姿があった。

確かによく見てみると健二のTシャツには

女の子向けアニメのキャラクターが描かれていた。

「うるせぇ!」

会話が聞こえていたのか、健二が

絹恵に向かって叫んだ。

「あいついつもあんな服装なのか?」

貞治が尋ねると新二郎が苦笑いする。

「そうなんだ、ありえないだろ?」


「そういえばさ、貞治君って

三次元って言葉の意味知ってる?」

絹恵が笑顔で尋ねた。

「よく分からないな……」

貞治が戸惑っていると、絹恵が続けた。

「健二が言うにはね、三次元ってのは

私たちの生身の女のことなんだって」

絹恵がくすくす笑う。

「それで、二次元が漫画とかの女の子なの」

千恵子も笑いながら補足する。

「あいつ、その二次元って女の子のことしか

興味ないんだって、アハハハ」

絹恵が大笑いする。

「ちょっと絹恵ちゃん、笑いすぎだって」

千恵子はそういった途端、大笑いした。

「アハハ、何で笑っちゃうんだろ?」

「おいおい二人とも、健二に失礼だろ……

アハハ」

壮吉が二人を注意した途端、笑い出した。

「いいじゃないか、それがあいつの

理想の恋愛だとよ……

笑っちまうよな、アハハハハ」

新二郎が大笑いをする。

「ちょっとみんな、失礼じゃない……

フフフッ」

キャロルがくすくすと笑い出した。

部室の中で、貞治と健二以外が

全員大笑いをしていた。


すると、千恵子たちに向かって健二が

近寄ってきて怒鳴りつけた。

「うるせぇんだよ! この

アバズレの三次元どもがよ」

健二が怒鳴ると、貞治は健二をなだめようとした。

「まぁ待てよ、みんなだって悪気があったんじゃない……

だって漫画の女の子が好きなんて……

アハハハハハハハハ」

貞治が腹を抱えてわらつた。


次の瞬間、貞治は健二に顔面を殴られ

床に倒れた。

「やっぱてめーら三次元は

馬鹿ばっかりだ、

末代まで呪われちまえ」

そういうと、健二は部室を走り去った。


「大丈夫か? 貞治」

壮吉が貞治を介抱する。

「大丈夫だけど……」

貞治が立ち上がった。


「まずい、彼女がやってくる……」

キャロルが深刻な表情で言った。

「えー、また来るの?」

千恵子が嫌そうな顔をする。

「彼女って?」

貞治が新二郎に尋ねた途端、

部室のドアが開いた。


「今日こそはお前らの悪事、

成敗してくれる!」

一人の女の子が入ってきた。

※用語解説


MG5……資生堂から発売されている

男性用化粧品。

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