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土豪 15

 翠髪のエルフ少女は、夕暮れの小道を姉と手を繋ぎながら歩いていた。

振り向いた姉の優しげな顔で、夢を見ているのだと気づいてしまう。

ああ、夢だ。だって姉さんは、もう居ないのだから。

鼻歌を歌いながら先を歩いていた姉がふと立ち止まった。

「エリス。あの恐ろしい闇エルフたちは、元は私たちと同じご先祖から枝分かれしたエルフ種族だったと言うわ。

今でも欲望のままに振舞うエルフは、邪神に魅入られて闇エルフになってしまうことがあるそうよ」

 そういえば、遠い昔、確かにこんな話を姉とした覚えがあった。

夢とは言え大好きな姉に会えたのは嬉しい。

裏表のない笑顔を向けて安心させるように約束する。

「私は大丈夫だよ。姉さん」

「果たしてそうかな?」

 姉は何故かしわがれた声を喉から発した。

ぎくりとして姉の顔を見るがシルエットになっていて見えない。

「貴女、ゴブリンから兎を取り上げたでしょう」

「な、何故、それを……!」

 思わず動揺したエルフ娘に向かって、姉は壊れた人形のようにギギギと首を動かした。

振り返った姉の顔は木製の入れ歯をした小柄な亜人。ゴブリンの老人のそれへと変貌していた。

「……ひっ!!」

「わしの兎をかえしぇえええ!」

 恐怖と混乱に立ち竦んだエルフ娘に向かって、老ゴブリンが大口開けて叫んだ瞬間、入れ歯がすぽんと勢いよく飛び出してきた。

ゴブリンの木製入れ歯がエルフの形のいい尖った耳に噛み付いた。そのま耳朶を噛んでいる。

「……ひっ、いや」

棒立ちして慌てるエルフ娘を見ている姉は、何時の間にか元の顔に戻っていたが、夢とはいえあんまりにも傍若無人な振る舞いだった。

「……闇……闇エルフはいや……ううん……入れ歯が……返す……兎返すから……」

「返す必要はない。駄目になってしまった兎の代わりにお前の可愛い耳にダークサイドに堕ちてもらう」

冷静な口調のまま、今度は訳の分からないことを言いながら夢の姉が近づいてくる。

「食べちゃったからかえせないよぅ……食べないで……耳は駄目だってばぁ……」

 意味不明な恐怖に魘されるエルフ娘は、意志の力を振り絞ってようやく目を覚ました。

冬にも拘らず、上着が寝汗に濡れている。

まるで甘噛みでもされていたように、耳朶がジンジンと熱く火照っていた。

支離滅裂な夢に溜息を洩らしつつ、エルフ娘は自慢の形のいい耳に触れた。

指先に微かな湿りを感じたのは、きっと寝汗を掻いたからだろう。

「意味が分からない。途中までいい夢だったのに」

呟きながら、身を軽く起こして窓から外を覗いた。


 時刻は昼頃。窓から遠い空を窺い見れば、灰色の分厚い雲が曇天を四方の果てまで埋め尽くしている。降り出しそうで降らない天候に、今日は一日部屋で寝て過ごそうと決めていた。

偶には怠惰に過ごす日が在ってもいいだろう。

寝台に再び寝転ぶと、同衾していた女剣士の顔が至近の距離にあった。

穏やかな寝息を立てている黒髪の剣士は、相変わらず整った顔立ちではあるが、眠っていれば鋭すぎる眼光も目立たない。

 こうしていると年相応の普通の娘さんに見えるんだけどな。

安らかな寝顔を覗き込んでいた半エルフに、女剣士が腕を伸ばして抱きついてきた。

やたらと力強い腕に強引に抱きしめられたが、嫌ではない。寧ろ望むところだ。

想い人の腕と胸の感触を堪能しながら、エルフがほうっと熱いと息を洩らしていると、なんと女剣士は眠りながら耳を甘噛みしてきた。

「うあ……此れかッ!」

小さく悲鳴を上げた。耳朶は弱い。

「起きてッ!起きてってば!」

エルフがもがいているにも拘らず、女剣士は目を開けない。本当は起きてるのではなかろうか。

そんな疑問を半エルフが抱いた頃に、漸くに女剣士が薄く目を見開いた。

やっと起きたとホッとしていたら、眠たげな瞳を擦りながら半身を起こしてエルフ娘をじっと見つめた。

「その耳は私のものだから……ベレルに懸けて他の誰にも舐めさせてはいけない」

訳の分からない宣告を、厳かとさえ言える口調で一方的に告げてきた。

「何、突然。私の耳は私のものだよ!そもそもベレルって邪神じゃないか!」

「そうか……残念」

「……寝ぼけているの?」

「……うん。寝ぼけている」

女剣士は自己完結すると、エルフ娘の胸に頭を預けてきた。

「もう少しだけ此の侭で」

呟いて、そのままずるずると臍まで崩れ落ちると穏やかな寝息を立て始める。

 嬉しいのか、哀しいのか。喜べばいいのか、怒ればいいのか。

戸惑い、途方にくれた面持ちでエルフは膝枕の上で眠る女剣士を眺める。

女剣士に、どんな心境の変化があったのかは分からない。

何があったにせよ、随分と心を許し始めているのは確かだろうけれど。

暫らくして、考えるのが面倒くさくなったエルフ娘は欠伸を噛み殺した。

 此処まで無防備な姿をさらしてきたのは、流石に初めてである。

多分、心の奥底では一途に尽くす私の健気さが通じ始めているに違いない、といいなあ。

都合のいい結論を勝手に結んでから苦笑して、女剣士の頭を揺らさないようにそっと寝台へと運んだ。

それから己も横になり、人族の娘の整った顔を覗き込んで、小鳥が啄ばむように少しだけ口づけした。



 ヴェルニア文明圏……特に、原生の自然が色濃く残る辺境メレヴでは、広大な森林は獣と亜人、そして無法の民が潜んでいる闇と頽廃を孕んだ異界であり、もう一つの世界であった。

森の住人である森小人やホビットに性悪のゴブリンやコボルド、盗賊、凶暴なオグル鬼。

原始的な生活を送る採取部族もいれば、町や村で追放された者たちもいる森の民。

ラミアやアラクネ、ニュクス、ニュムペーなどの妖精や妖魔の類。

熊や狼、猪、大山猫に火狐などの危険な獣も数多く生息している。

謎めいた生活習慣を持つ不可思議な種族、森エルフ族や好色なサテュロスたち。

 友好的な者、敵対的な者、脅威、謎めいた存在。

様々な人々が隠れ棲まう奥深い森は、隣り合って暮らす辺境の村人たちにとって、文明の境界の向こう側に位置する巨大な脅威であると同時に、生活に必要なほぼ全ての糧を与えてくれる無くてはならない恵みの地でもあった。

寧ろ、森こそが本当の辺境であるのかも知れない。



 豪族クーディウスの奴隷として働いている赤毛の娘は、集めてきた薪を館の裏庭に積み上げた。

本来は、年端もいかない子供の仕事である薪集めだが、何やら薪が大量に必要となったらしく、奴隷たちは朝から手分けして森へと入っていた。

 早朝から休みなく森を歩き回って、赤毛娘もそうとうに疲労困憊していた。パリトー村を囲む森は恐ろしく広大で奥深く、足を踏み入れると、肌を刺すような緊張感がひしひしと感じられる。

 深遠な森の奥には、亜人や獣、時には魔獣や妖魔までが彷徨っている。強勢を誇るクーディウスの家人に表立って手を出すほど気が狂ってる者は少ないものの、それでも時々、森に入り込んだ奴隷や村人が行方不明になるらしい。

 妖魔か大蜘蛛に浚われたのか。行方知れずとなった狩人がその日の午後には枯れ果てた木乃伊となって見つかった事もあれば、熊か、魔獣に襲われたのか、集団から一瞬で消えた女奴隷が下腹を食い破られた無惨な姿で見つかったこともある。

 鬱蒼とした奥深い森は、村とは空気の匂いがまるで違った。明確に異界の空気が漂っている。

迂闊に足を踏み入れれば、二度も戻って来れないのではないかと思わせるような闇が木立の先に蟠っていたり、じめじめとした起伏在る地面には陥穽が大きく口を開けてるような気配が時に傍らで感じられた。

 勿論、豪族の奴隷たちは集団で行動し、一定の場所より先に踏み込んだりしないが、それでもウッドインプやゴブリンは勿論、他のもっと穏やかな種族だって縄張りに踏み込まれれば、いい顔をしないだろうし、オークやオグル、盗賊の類に出会ってしまえば一巻の終わりであった。

自然、薪を集めるのは、森の外周部での事となるが、それでも枯れ枝は豊富にあって、集めるのにそれほどの苦労はしなかった。


 薪を抱えてパリトー村に帰ってくれば、村は随分と騒々しかった。

何やら催し物でもあるのだろうか。慌ただしく動き回る召使いや家人たちを眺めてから、奴隷の小屋に 戻れば、他の奴隷たちは既に昼飯を腹に掻き込んでいる。屑野菜が浮いたスープが椀に一杯だが、食べると食べないでは腹の持ち具合はまるで違う。見回すが自分の分がない。少し遅れただけで誰かに横取りされてしまったようだ。

何かないかと急いで台所に廻ってみると、土鍋では大量の大麦粥が作られていた。

大きな土鍋に大麦がぶち込まれ、ぐつぐつと煮立っている。厨房の向こう側では豚の肉が焼かれたり、茹でられていた。庭の隅では下働きの女が締めた鴨や鶏の首を切りとって、血抜きをしている。

綺麗に毛を毟った鳥の腸を取り出すと、料理人が果実や香草を詰め込んで丸焼きにしていた。

なんと牛まで屠られている。随分と豪勢だった。何かの祝い事だろうか。

茹でた豚肉や焼き豚の香ばしい匂いが赤毛娘の鼻腔を刺激して涎を呑み込む。

 美味しそうなご馳走を目の前にして、せめて粥のお零れに預かれないかと料理人に頼み込んでみるが、けんもほろろの対応であった。

「ああん?飯がない!そんなのはさっさと喰いに来ないからだろ!」

今日は朝から忙しい。苛々した料理人に怒鳴り散らされて、厨房を追い出された。

夜まで待てるだろうか。

今朝の食事は茹でた豆を磨り潰してペーストした物が椀に一杯である。到底、足りない。

 疲れた身体を引き摺って、赤毛娘は仕事場に戻っていった。裏庭にある、契約して奴隷となった女たちの小屋の片隅で、他の奴隷に混じって空腹を抱えながら蹲った。

慣れない仕事も十日を越えている。今日の仕事は特にきつかった。そろそろ身体中の筋肉が悲鳴を上げている。村を出てから何日経っただろうか。多分、二週間は経っている。

妹は無事だろうか。狂おしい焦燥に駆られて赤毛娘は拳を握り締める。


 目の前に暗い影がさした。

赤毛娘が見上げると大柄な奴隷が見下ろしていた。目を細めて厭らしく笑っている。

「くっく、昼飯を喰いそびれたな」

襲われたのを思い出して後退りする赤毛娘に向かって、雑穀の硬パンを差出した。

「ほら、喰えよ」

「……あ、ありがとう」

戸惑いながらおずおずと伸ばした手首を握られた。

痛みに小さく悲鳴を上げるが、お構い無しに壁際に押さえつけられて身動きが取れなくなる。

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ちょっとHなので削除した


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見てみぬ振りをしているのは、大柄な奴隷を恐れているのか。或いは、面倒くさくて関り合いになるまいとしているのか。笑いながら去っていく大柄な奴隷の背中を睨みつけながら、赤毛娘は歯を食い縛って涙を零しつつ、地面をどんどんと拳で叩いて嗚咽した。



「立て!怠け者共!偉い方々の為に道を掃除しに行け!」

奴隷の監督官がやってきた。

此の年配の男も先ほどの男に負けず劣らずの偉丈夫だった。

顔はさらに厳つく、目は細くて底意地が悪そうで、大音声で呼ばわりながら柳の鞭を振り回している。

 他の奴隷達が立ち上がる中、骨身に疲労が染み付いている赤毛娘はよろめきながら、ゆっくりと起き上がった。妹を案じる気持ちだけが、辛うじて日々の厳しい生活に耐える気力を与えている。


 だが、どうすればいいのか。

人は外見で判断するものだ。言葉も通じなければなおさらだった。

 襤褸布を纏った若い娘が、モアレの村から助けを求めてやってきた使者だとは、誰も受け取ってくれない。今は奴隷の身であるから、豪族に近づく事は許されない。

館の余り深くにも立ち入れない。

言葉は幾らか分かるようになったが、まず接する機会が来ないのだ。

おまけに嫌な奴に目を付けられてしまったようで、陰惨な目をしてつけ狙っている。

頭が痛い。歯噛みしつつも、赤毛娘は歩き出した。


 彼女は、村では誰よりも機織りが早くて上手だった。

読み書きや計算も出来たし、針と糸で村で綺麗な刺繍を縫えたし、繕うのも上手く、染料に関する知識や技術もある。布になる各種の植物や亜麻の育て方も知っていた。だけど、布を産する村の裕福な自由民の娘として身につけた教養や教育の全てが、奴隷の立場では何の役に立たなかった。


 赤毛娘が自由民であった頃は、己の裁量で必要なだけ働き、疲れたら休んでいた。

今は働けば働くほど、頑張れば頑張るほど仕事を廻される。手の抜き方が分からずに、やり損なえば怠けていると柳の鞭で打たれた。

今は慣れたが、当初は鞭を喰らいながら他人の倍も働かされていたものだ。

連日、慣れぬ仕事が終われば疲労して泥のように眠っている。特に此処数日は、考える力ががりがりと削られているような気がしてならない。


 大分、馴染んではきていたが、奴隷としての境遇を甘く見すぎていたか。

村を出た時に履いていた皮靴は、何時の間にか誰かに盗まれていた。履いていた奴隷女を見つけて取り戻そうとして、その旦那に拳骨を喰らって顔に青痣を作っている。

今は布と藁、縄で自作したサンダルを履いていた。きつい。奴隷としての境遇がこれほど辛いとは思っていなかった。何の役にも立たない。無力感に苛まされる。

或いは、ローナに行った方がよかったか。


 考えながら歩いている最中、赤毛娘は突然に立ち眩みに襲われた。冷や汗が吹き出て足元がふら付き、小屋の壁に寄り掛かるが眩暈は治まらない。

寧ろ酷くなる一方で、不規則な呼吸を繰り返して喘ぎながら地面へとへたり込む。

「おい?」

庭の中央で何やら差配していた男が見咎めたのか、歩み寄ってきた。

「……随分と顔色が悪いな。きちんと食べているのか?」

赤毛娘は言葉も出てこない。何も言えずにただ見上げて苦しげに喘いでいる。

引っ張られた。手を引かれて、近くにある屋根の下に連れて行かれる。

「少し待っていろ」

言い残して、青年が踵を返した。

厨房のほうへと向かうのだけ見てから、赤毛娘は目を閉じる。

多少でも目を閉じて身体を休めていると、それだけでも大分気分は良くなった。

「おい、起きろ」

声を掛けられて、再び目を見開くと目の前に食べ物を置いていく。

チーズと黒パン。そして腸詰。

「食べろ。朝から働きづめなのは分かっている。

その様では、昼も何も食べていないだろう」

戸惑って見上げていると、青年は顔を背けてぶっきら棒な物言いをした。


 奴隷の監督官が渋い顔をして見ていたが、雇い主の息子に文句を言うこともなかった。

若い女だからな。それに顔立ちも中々、美しい。坊ちゃんは妾にするかも知れん。

坊ちゃんも若いし、女も性格は悪くなさそうだ。いい組み合わせかも知れんな。

少し好色な笑みを浮かべると、道路の清掃作業を監督する為に鞭で肩を叩きながら立ち去った。


 震える手を伸ばして、赤毛娘は食べ物を掴み取った。

パンは焼きたてだろう。湯気が立っている。暖かい。涙がじんわりと目の端に浮かびでた。

チーズをパンに挟んで噛む。深い味が舌に染みた。頬が落ちそうだった。

ついで腸詰を口に運ぶ。腸詰もいい物に違いない。血の味がする。保存用の塩辛い腸詰ではない。早めに食べる美味い奴だ。

その後は、もう貪るように腹に詰め込んだ。水袋を差し出されて、此れもひったくるようにして受け取るとエールであった。

 後から考えれば無礼だったかもしれないが、その時は夢中であったのだ。気にした様子もなく青年は赤毛娘が食事する姿を見ていた。

喉を鳴らして嚥下する。至れり尽くせりの食事に人心地付いて満足げに溜息を洩らした。

明晰な思考力が大分、戻ってきた。

全てを胃の腑に修めるとまず礼を述べる。

「ありがとう。『パリスじゃない』」

「パリスじゃない……か」

青年が己の顔を指差して、呟いた。

「ラウルだ」

「ラウルダ?」

真剣な顔で問うた赤毛娘に、青年が繰り返した。

「そう。俺の名前。ラウル」

「……ラウル」

呟いた赤毛娘は、己を指差して名を明かした。

「……ジナ。ジナ・エルヘンドリス」

奴隷が苗字付きであることに少し驚いたように目を見開きつつ、青年は赤毛娘の名を舌に乗せた。

「そうか。ジナか」



 此の青年は、相当に偉い立場にあるようだった。

着ている衣服も、青く染色された目の細かい厚手布の高価な代物。

豪族の身内であるのは間違いない。だとしたら、今は千載一遇の好機なのかも知れない。

赤毛の娘は勇を振るって、北方語と数日で覚えた南方語のちゃんぽんで訴えかける。

「あの、村がオークに襲われたの。北の村に。今も村人たちは、隠れて逃げています。

私は助けを求めて、南へとやってきました。出来れば助けて欲しいと思って」

通じているのか。赤毛娘の言葉を聞いた青年は苦く微笑んだ。

「まだ、きっと村人たちは生きています。今も、助けを待っているのです。

 私の妹や友人達が、村には隠れています。どうか手遅れになる前に。村を救ってください。

 あなた達だけが頼りなのです。お願いします」

言い切ってから頭を深々と下げて一礼した。

「救出の暁には、モアレの村を上げて出来る限りの謝礼を差し上げますから」

「お前の村もオークに襲われたのか。気の毒にな」

通じたのだ。

赤毛娘が顔を輝かせてぶんぶんと縦に頷くと、青年は頷きながら赤毛娘を悲痛な眼差しでじっと見つめた。

「安心しろ。やつらは俺たちがやっつけてやる。

それが慰めになるかどうかは分からんが。お前の村の仇はとってやろう」

 頭を撫でられた。通じたようで通じていない。

今、今って単語は南方語でなんと言うのだろう。捕まったも分からない。

分からない単語が多すぎる。幾ら必死になっても語彙を覚える機会が少なすぎた。

ああ、南方語の今も、という単語が分からない。

南方語で『まだ生きている』は、なんと言えばいいのだろうか。

使者という言葉も通じていないだろう。

諦めずに粘り続けるという選択肢もあったのだが、今の赤毛娘には思いつかなかった。

失意が気力を奪い去り、もう駄目だと思い込んでしまったのだろう。

 脱力したように力なく俯いている彼女に、何を誤解したのか青年は優しく語りかける。

「……元気を出せ。もし今の仕事が辛いようなら、家内向けの仕事に廻してやっても」

言いかけたところで、歩み寄ってくる人物に気づいて言葉を止めた。

「やあ」

茶色の外套を纏い、金髪を背中に編みこんだ若く美しい女性が、朗らかな笑顔を浮かべて青年に手を振った。

「リヴィエラ殿」

嬉しそうに上擦った声を上げる青年に流し目をくれて、ふふっと微笑んだ。

「案外、優しい所があるじゃないか?」

他の女に優しくしていたにも拘らず、郷士の娘はなぜか青年に好感を抱いたようだ。

「貴女も、来てたのか」

「親父殿のお供でね。親父殿は宴席に入っているけど、私は粉掛けてくる人たちをあしらうのが面倒で」

悪戯っぽく笑ってから、何処からかせしめてきたらしい腸詰を齧っている。

「今回のオークとの戦、厳しいものになるね」

郷士の娘が何気なく言った言葉に反応して、青年は厳しい顔つきになる。

「何故そう思う?」

「連中は相当に餓えている」

郷士の娘は鳶色の瞳で北の空を鋭く睨みつけた。

「何処でそんな話を?」

興味深そうに問いかけた青年に、郷士の娘は手をひらひらさせながら自慢げに応えた。

「一人捕まえたから」


「ところで、面白そうな話をしていたみたいだけれど」

 郷士の娘は話を転じ、傍らで落ち着かない様子で佇んでいる赤毛娘に視線をくれた。

歯が全部揃っている。肉付きもいい。

顔つきと赤毛。疲れ切った表情ではあるが、此の子……。

じっと見つめた後、怪訝そうに口を開いた。

「此の娘……」

何かを言い掛けて口篭ったのを気にした様子もなく、青年は頷きかけた。

「気の毒な娘だ。村がオークに滅ぼされたそうだ」

「ふうん」

気の乗らない返事を返してから、郷士の娘は首を捻る。

「此の子は……北方人かな?でも、だとしたら……」


 考え込んでいる郷士の娘と青年。そして赤毛娘の三人の所に、彼らを探して豪族の姉弟が近づいてきた。

「リヴィエラ!」

「パリス!フィオナ!」

声を掛けてきた友人たちの顔を見て、リヴィエラがあからさまに顔を輝かせた。

「ん、君はあの時の娘か。元気だったか?」

 己の恩人を覚えてはいたようだ。立ち止まった豪族の息子パリスに声を掛けられて、恭しく礼をする赤毛娘の姿は堂に入っていた。

豪族の娘フィオナが少し感心して、改めて奴隷の赤毛娘を観察した。

さりげなく礼儀に適った儀礼をこなすところなど、元はそれなりに裕福な家の娘だったのかも知れない。

 青年の目の前で、郷士の娘リヴィエラは柔らかな笑顔を浮かべている。視線の先には豪族の息子パリスがいて、意中の女性と腹違いの兄の仲睦まじさを見るのが辛く、青年は苦しげに表情を歪めて思わず顔を背けた。

「リヴィエラ。父が話を聞きたいそうだ。来てくれるか?」

「分かった」

豪族の息子パリスが呼びかけ、郷士の娘が直ぐに頷いた。

我慢しきれずに、青年も話に割って入る。

「俺も行こう」

ぴしゃりと姉のフィオナが遮った。

「貴方は呼ばれていない」

「フィオナ!なっ、なぜ。パリスだけが……」

 腹違いの兄パリスと郷士の娘が連れ立って歩いていくのを眺めてから、青年は苦い想いを振り払うように首を振った。姉のフィオナは何かを言いたいのか、その場に立ち止まっている。

気落ちしている青年は、気忙しげに赤毛の娘が何か話しかけてきたのを邪険に振り払った。

「調子に乗るな。とっとと仕事に戻れ」

青年の厳しい口調に赤毛娘は後退り、しゅんとして肩を落とした。

「女の子には優しくするものだよ」

「奴隷の娘に?」

姉の注意を鼻で笑う青年は、だが表情は強張り、無理して悪ぶっているようにも見えた。

哀しげな瞳をして何か言いたげにしながら、だが豪族の娘は結局フィオナは口を閉じた。

再び口を開いた時に出た言葉は冷たい響きを孕んでおり、弟の心をなお一層に傷つける。

「それと兄さんに向かってあの態度はいただけない。

 リヴィエラと言葉も話せない奴隷娘の前だからいいけど、

 使用人やお客たちの前ではあのような態度は許さない。胆に命じておきなさい」

青年は呻き声を上げて苦しげな表情で姉を睨みつけて反論する。

「……あいつは兄貴じゃない。俺の身内は父さんと姉さんだけだ」


 無表情で黙っている姉に対して、想いを吐露する。

「あの女の責で母さんがどれ程、苦しんだか。姉さんだって覚えているだろ?」

「苦しんだのは母さんだけではないよ。それに誰か一人だけが悪い訳ではない。

 貴方の年齢で分からない筈はないでしょう」

「何でそんな事を言うんだよ。

 姉さんまでそんな風に思ってたら、母さんがあんまりにも報われないだろ」

豪族の娘フィオナは首を振りながら、哀しげに同腹の弟を見つめる。

「兎に角、お客の郷士豪族達に一度、顔を見せてきなさいな。

 私たちと父さんは、もう一緒に挨拶してきたから」

宥めすかして機嫌を取るように、豪族の娘の声は最後に少しだけ優しくなった。

「年頃の娘がいる人も多いんだし」

「姉さんが後継で、予備はパリス。俺はおまけか」

「そうやって子供みたいに拗ねている限りはね。リヴィエラにも相手されないよ?」

「フィオナは……リヴィエラは関係ない!」

 顔を真っ赤にして何かを言いかけ、それから怒りも露わに荒々しい歩調で立ち去った青年の後姿を眺めながら、豪族の娘は溜息を洩らした。何か言いたげにしている赤毛娘に一瞥をくれると

「何でもないわ。貴女も仕事に戻りなさい」

頷いて踵を返した赤毛娘の背中を見送ってから、豪族の娘は小さく呟いた。

「大分、話せるようになってきたみたいね」

それから、ふと思い出したように首を傾げる。

「そういえば北方語なら、リヴィエラが話せたか」


 館の最も大きな部屋で開かれたクーディウス氏主催の民会には、近在の郷士豪族の大半が顔を見せていた。人数は三、四十人ほどか。

集まりは良くも悪くもないが、普段は不仲な者たちのうちでも数名は姿を見せている。

それだけオークが脅威だということなのだろう。

それほど仲の悪くない者の病などで欠席や、息子なり弟なり、一族の誰かを代理として出席させてる者たちもいた。招待したものの全てが顔を出したわけではないが、それでも招いたうちの三分の二は顔を見せている。

 自分の権威を確かめられて、豪族は満足げに頷いた。まずは満足するべき状況だろう。

オークを脅威に感じていない筈の、南の川向こうのホビットたちもやってきている。

これも大きな収穫だった。

 些か慎重さに欠けるきらいがある物の、勇敢ですばしっこいホビット族はよい斥候となる。いざとなれば彼らの助力をあてに出来るのは大きい。

 オークへの対処について民会で話す間、主導権をとられるのを嫌ったのだろう。不機嫌そうに苦虫を噛み潰していた郷士や豪族たちもいたが、大半は好意的に意見に賛成してくれた。

何故、御主らの領土を守る為に兵を出さねばならん?

北の連中は、自力で降りかかる火の粉も払えんのか?

街道筋から遠い南の村々の郷士や豪族たちの反応は冷淡であったが、これは最初から予想していた事でもある。

 彼らの態度は兵を出す心算はないとはっきり告げていたが、それでも交渉の結果、糧食や飼い葉の一部を負担してくれるとの言質を取れた。何でも言ってみるものだとほくそ笑んでいる。


「カディウス!よく来てくれた!それにフィリウ爺さんも」

 肝胆てらして話し合える古い知己たちには、豪族は歩み寄って肩を叩いて席に案内した。笑いながら歩み寄ってくるベーリオウルは、農園主の郷士に過ぎないものの豪族の古い知り合いであり、性格も能力も頼りになる男だった。若い頃には、共に南王国に出仕して同じ旗の下で肩を並べて戦っていた時期もある。

「御主の郎党には、警備を頼みたい。勿論、馳走は後で振舞わせてもらおう。

何分、手が足らんでな」

 民会での話合いは常になく長時間に及んだが、オークに奪われた村落や農園の奪還に、治安の回復。

各々の土地の巡回を徹底し、オークのこれ以上の浸透を防ぐことが議決された。

一通り議題を消化してからは、皆の衆の親交を深めようとささやかながら宴席を用意したと、大広間に客たちを案内した。



 クーディウスの富裕はただ事ではなかった。

豊かな財力を誇示するように、しろめや青銅の皿には、豚肉や牛、鳥や山羊の茹で肉や香草焼き、塩焼き、パテ、パイなどが並んでいた。大抵は木皿であり、食卓に皮を敷いたりそのまま机に載せて食べるのが普通である。

 部屋には吟遊詩人がいて竪琴を鳴らしながら唄を諳んじ、また道化師が球を巧みに操って客を魅了していた。どうやらクーディウスには、南王国の貴族たちと繋がりがあるとの話も、満更法螺でも無さそうである。

 当の本人である初老の豪族は、毛皮を敷いた一際、豪奢な椅子に腰掛けて満足そうに微笑んでいる。

一段高い所に在る頑丈な樫製の椅子は、一見して玉座のようにも見えた。権威と財力を印象付ける為に、宴の演出は事前に綿密に計算されていたのかも知れない。

 何人かの豪族は、王を連想したのだろう。料理に舌鼓を打ちながら、しかし、招きに応じた者たちの一部は、苦々しい顔をしていた。

オークへの対処の主導権を握られた事と言い、財力の誇示と言い、同輩の一人が権威を高めていくのは面白くない。

 豚の腹に香草や果実を詰めて丸焼きにしたもの。鵞鳥のロースト。鴨のパテ。林檎のパイなど、しかし、料理は絶品であった。新鮮な肉料理は、豪族たちや郷士たちでも、早々口に出来るものではない。

鱈腹腹にご馳走を詰め込んで、満足そうにゲップをしながらホビットの郷士が叫んだ。

「辺境の王様!クーディウスばんざぁい!」


 仕込みではない追従に上機嫌で腕を振って豪族は応じる。

辺境の王か、それも悪くないな。

熊の毛皮を肩から纏った豪族の重々しい振る舞いに、一部の郷士豪族の機嫌は底無しに悪くなっているようだ。

「……自分が王様になりたいんだろうよ」

意地悪く囁いて不満げな顔をしている者たちの顔と名前を脳裏に刻み込みながら、しかし、クーディウスは客の大半が宴席を楽しんでいるのを目にして、満足げに頷いた。


 やがて請願者たちが列を作って、宴席の主催者と一人一人面談し始めた。

鷹揚な笑みを浮かべつつ、鷹揚に来客の陳情に対応していく初老の豪族。

一握りの郷士などは、戦装束も裕福な武装農民とさして変わらない姿である。

擦り切れた革の上着や厚手の服を纏い、錆びた剣を腰に吊るし、棒切れを持って襤褸を纏う若衆を一人、二人連れただけの貧しい郷士もいた。酷い有様ではあるが、辺土の弱小の郷士などそんなものでもある。

それでも数は数だ。不仲な競争者のうちには、今なおクーディウスに匹敵する勢力を誇る豪族もいる。

彼らに競り勝つには、或いは戦わずに勝つには、出来るだけ手元に兵を集めておきたかった。

考えながら対応している豪族の視界の端で、古い知己ベーリオウルの娘が宴会場に入ってきたのが見えた。

「皆の衆、暫し席を外しますぞ」

 知己の娘の傍に立つ我が子に小さく頷きかけてから、手にした酒盃を干してからゆっくりと立ち上がる。

大物はけして急がないものだ。


 クーディウスと長男であるパリス、そして旧知のベーリオウル親子は廊下を通って館の奥にある一室へと移動した。私室にはクーディウスの長女フィオナと、やはり信頼できる友人の老豪族フィリウ卿が待ち受けている。

 一同の顔を見回すと、初老の豪族は重々しく頷いた。旧知の郷士ベーリオウルが首をしゃくって、己の娘であるリヴィエラに視線を送った。

「お前の口から、クーディウス殿に説明しろ」

金髪の娘は頷くと、咳払いしてから己の掴んだ情報を一から説明し始めた。

「オーク共は餓えています。それも相当に……彼らも飯が喰えていない」

 連年の不作には、水にも恵まれ、耕作地が広がっている平地の民さえ苦しんでいる。

増してやオーク族が棲まうのは、耕作に不向きな丘陵地帯。飢えの苦しみは、筆舌にし難い物があるに違いない。

 昨夜のうちにオークを拷問して聞き出した情報を、郷士の娘は淡々とした口調で一堂に詳しく説明していく。

 口減らしと奴隷、食料の確保を兼ねての侵攻だと告げると、腕組みして壁に寄りかかっていた父親が腑に落ちない様子で視線を彷徨わせた。

「喰い物が足らんので攻めてきたのだろう?連中に、浚った奴隷を養えるのか?」

「私も気になって、其処を聞いてみた」

父親の質問は想定していたので、浮かない表情で金髪の娘は反問に応えた。

「自分たちで使うんじゃない。曠野から来た黒エルフの隊商の一隊に売り飛ばしていると」

筋骨逞しい郷士は苛立ちを隠そうともせず険しい顔つきになると、音高く舌打ちした。

「黒エルフ共に売られたとなると……取り返すのも難しいな」

「うむ、よく分かった」

豪族も厳しい表情で頷きながら、郷士の意見に相槌を打った。

「まだ、色々分からないことがある。所詮は下っ端だったから。

他に二、三人捕虜を捕まえてみれば、もっと詳しく分かると思うけど」

金髪のリヴィエラの言葉に、豪族の息子パリスが頷きかけた。

「その役目は俺が引き受けよう」


 壁に寄り掛かって指を顎に当てて考え込んでいた豪族の娘フィオナが、顔を上げた。

「今のところ、持ち回りで警戒を強化する以外に打てる手はないわね」

娘の言に頷きつつも、クーディウスが息子パリスに視線を転じる。

「パリスよ。わしの兵は何人動かせる?」

「村の守りを最低限残して四十。時間があれば六十か七十は揃えられます」

思っていたよりは少ないものの、豪族はかかっと笑い声を上げた。

「オークの領域に侵攻して村の一つ、二つ焼くには充分な人数だな」

「博打だぞ」

金髪の郷士が難しい顔で口を挟んできた。郷士ベーリオウルと初老の豪族クーディウスは、若い頃からの付き合いである。

 連れ立って南王国に旅に出た事もあり、いまだに気安い関係を維持していた。豪族たちがその力を併せれば、オークの撃退はそれほど難しくない。元より人族やホビット、ゴブリン、ドウォーフなどの方が人数が多いのだ。

「だが、どいつもこいつも、己の事しか考えておらん」

不満げに洩らした豪族に、郷士が見通しは暗いと言葉を掛けた。

「持ち回りは引き受けても、攻め込むとなるとな。誰も彼も二の足を踏むだろう」

「……お互いにもう若くない」

豪族はほろ苦く笑って、首を振った。


「しかし、父上。此の侭ではきりがない」

娘の言葉に豪族は難しい顔になって考え込んだ。

「わしの兵だけでは埒が明かん。出来れば力を借りたいが」

付近の街道一帯でそれなりの勢力は誇っているものの、危険を侵して力を貸してくれる者の心当たりとなると意外と少ない。

「俺と爺さん以外だと、ルタン。それにソレスは当てに出来るだろう」

金髪の郷士が少し考えてから、力を貸してくれそうな豪族の名前を上げる。

「ふむ、ルタンはオーク領に近い故に必死だろう。乗ってくるに違いない。

 だが、ソレスか?」

怪訝そうな顔をして訊ねかけた豪族に、今度は老豪族が肯き掛けた。

「あれは硬骨漢じゃ。好き嫌いは置いといて、こういう時は力を貸してくれる筈じゃろう」

豪族が頷いた。

 実はフィリウ老人やベーリオウルの考えとは大方で一致していたが、念のために敢えて異論を口にしていた。

信頼出来そうな者たちの兵力を頭に思い浮かべながら、彼らを頼るしかないと思いつつも、一方では出来るなら温存したくもある。

「他には、余り当てにできそうな者はおらんな」

老豪族が溜息を洩らすと、金髪の郷士がはき捨てた。

「略奪するだけすれば、オークの矛もいずれは収まる。そう考えているのだろうよ」

豪族クーディウスはその甘い見通しに舌打ちしてから

「まあ、よい。ルタンとソレスも当てにできれば、百二、三十には届くだろう。

オークなどなんとでもなるだろう」

豪族が結論を出すと一同は肯いた。

後はルタンとソレスに各々協力を求める事を決めてから、一同は密談を終えた。

部屋を後にしようとする旧知の郷士に、豪族が声を掛ける。

「おい、カディウス。久しぶりに顔を見せたのだ。今日は泊まっていけ。

 積もる話もある。御主の娘やわしの息子たちの事も決めておきたいしな。

いいワインがあるのだ。南王国のジベールにある荘園で作られたものだぞ」

金髪の郷士はにやりと笑みを浮かべると、豪族の肩を叩いて歩き出した。


 話し合っていた一同は、しかし此の時、普段から小競り合いの絶えない丘陵地帯のオーク族だけを主敵と見定めていた。

北のモアレ村が陥落してより既に十日近くが経過していたが、街道筋の郷士や豪族たちは誰一人として北方からも脅かされていることを察知していない。

本格的な冬の季節に北方からの旅人が訪れないのも、珍しいことではない。

幾らかの犠牲は出るだろうが、最終的には勝てるだろうと未だ楽観的に捉えていたのだ。




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