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北の村 14

 丘陵地帯のモアレ村には、近隣に出没するオークや盗賊の侵入を遮る為に、外周に沿って分厚い柵が建てられていた。

 樫や楢などの材木を用いた柵には、その外側に深い空堀が設けられている。

村の内側から柵を越えるのはそれほど難しい事ではなかったが、堀の底から柵をよじ登って村に入るのは甚だ困難で、先だって村から逃げ出した二人の村人は柵にしがみ付くようにして、逃げ遅れた二人の旅人や村の仲間たちの様子をずっと窺っていた。

「凄い!……あの人、みんなやっつけちゃったわ!」

柵と柵の隙間から、旅の女剣士がオークを相手に孤軍奮闘する姿を見ていた村娘のジナが歓声を上げた。

「信じられん。此処からはよく見えない。ちょっと変わってくれよ」

隣でジャンが何か喋っているが、赤毛の村娘は耳に入らない様子で歓んでいる。

「嘘!もうっ本当に凄いわ!」

「俺にも見せてくれってば」


 二人の村人が快哉を叫んでいる、その目と鼻の先。

柵の内側へ二百歩ほどの小屋の手前から、若い農民夫婦の片割れが呆然とした表情で草地に転がる兄の亡骸へとふらふらと歩み寄っていった。

「兄さん。兄さんが……」

 大柄な青年は全身をずたずたに切り刻まれ、恐怖に歪んだ凄まじい表情で息絶えていた。

早くに親を無くした幼い弟のクームを此処まで育てたのは、些か粗暴な面もあるが面倒のいいこの兄アジャンだった。

村がオークに襲われた際も、農具を振り回してオークたちを寄せ付けず、弟夫婦を守りきった頼れる兄だったから、あっさりと死んでしまったのが青年には悪い夢のようにも思えてまだ信じられなかった。

「……畜生、畜生」

アジャンの亡骸の隣に跪いて啜り泣き続ける青年を、妻は憂いを帯びた痛ましそうな瞳でじっと見つめていた。




 エリスはアリアの傍らに駆け寄った。

「……傷の手当をしないと」

「いい。それより、そいつを縛り上げろ」

油断のない目つきでオークの酋長に槍を突きつけた姿勢のまま、黒髪の女剣士が屈強な若者に告げた。

「縛るって……なんで?」

「布でも縄でもいいから。そいつの身体に巻いてるひらひらを使うといい。

 そこら辺で死んでる奴のベルトや、服でも千切ってもいい。

 手を後ろに廻して、厳重に……早くしろ」

女剣士をじっと見つめていたオークの酋長が口を開いた。

「暴れるような真似はせん。約束はまもる。破ればサルとおなじになるからな」

「小癪な物言いを……」

それだけ言うと喋るのも億劫そうにアリアは口を閉じた。

あまり顔色は良くない。苦しげに息を乱しているのを見れば、立っているだけでも相当に辛いのだろう。

「後ろに手を廻せ」

屈強な青年が言われた通りに縛っていると、オークの酋長は黒髪のアリアを値踏みするように見回した。

「お前は強いな。わしは強い女が大好きだ。

 如何だ、わしの五番目の妻にならんか?きっと強い子を生むだろう」

図々しい奴だと思い、屈強な青年は腹立ち紛れにオークの酋長の後ろ手を強く縛り上げる。

「四人もいれば充分だろ。雌のオークで満足してろよ」

「三人だ。小僧。それに今の妻たちは、お前など手も触れられぬ美しい人族の娘ばかりよ」

露骨に見下した目付きで青年を見ると、オークの酋長はにやりと笑みを浮かべた。

「それに四人目は決まっておる」

翠髪のエルフの娘にチラリと好色な流し目をくれる酋長。

「こっ、この!ふてぶてしい野郎だ!」


 アリアは、槍をオークの首魁に突きつけた姿勢のまま身じろぎ一つしなかったが、屈強な青年が捕虜を完全に縛り上げたのを見届けると、槍を杖にしながら、ゆっくりと枯れ草の地面へと座り込んだ。

全身の傷が鋭い痛みを発したが、歯を食い縛って、呻き一つ洩らさなかった。

 槍を抱きしめて疲れきった表情で溜息を長々と洩らしてから、黒髪の女剣士は周辺の様子を見回してみる。

先程逃げた三匹のオークが淡い緑と茶のベールに覆われた草原の向こう側から、遠目に此方の様子を窺っていた。

 如何やら酋長はそれなりに慕われているようで、オークたちは遠巻きに見守っていたが、アリアが恐いのだろう。近づいてこようとはしないが、同時に離れる素振りも見せない。

今は無勢だが、いずれ他所からも増援が来るかも知れない。



 見初められたエリスだったが、オークの酋長が身動き出来ないほどに縛られると、ホッとした様子で立ち上がり、周囲を歩き始める。

 アリアの体調が心配で、出来るだけ早く休ませたいと横目に見るが、草原の彼方に数匹のオークや、近づいてきている黒エルフの姿も見え隠れしていて、エルフ娘の気は休まらない。

女剣士の背負い袋や腰に付けていた細々した荷が無いことに気づいて訊ねると、戦うのに邪魔になったから捨てたとの答えが返ってきた。

そこらへんに転がっているだろうと、如何でも良さそうに答える。

思い切りはいいのだろうが、普通、巾着を捨てるだろうか。

思わず狼狽しながら、周囲を見回してみるものも見当たらない。

「此れからどうなるんだろう」

落ち着かない様子で呟きながら、野原に女剣士の荷物を探し回り、ついでにオーク達から包帯などに成りそうな布を集めていく。

翠髪のエルフ娘がオークの死骸から使えそうなマントから剥いでると、その背後で倒れていたオークがもぞりと動いた。



「どうしてこんな奴を生かしておくんだ?」

屈強な青年は、憎々しげにオークの酋長を睨みつける。

「生きている人質は、死んだ人質よりも色々と役に立つのだ。

 そいつの人望にもよるが、オークを村から退かせる事が出来るかも知れぬ」

青年の問いにアリアが笑い返した。

「或いは条件次第で、南へ離脱する際に追っ手を封じたり、村人全員を連れて退去も出来よう。

 最悪でも豪族共に引き渡せば尋問して色々と聞きだせるであろう?」

「なるほどなぁ。分かった」

青年の愚鈍そうな顔に、理解の色が広がった。

頭が良くない事を自覚しているので、偉い奴か頭のいい奴に従うのが習い性となっているようだ。

「それに殺すと厄介な事になる」

アリアの呟いた言葉を聞き咎めて、今度はエリスが横合いから問いかけた。

「厄介な事って?生かしておいた方が、取り返そうと追ってくるのでは?」

半エルフの娘の非情な言葉に抗議するように縛られた酋長が唸り声を上げた。

「さっき云っただろう」

「なにが?」

喋り続けていた黒髪の女剣士が疲れたように目を閉じた。

「……ねえ、そちらの小屋にでも入って休んだ方がいいんじゃないかな?」

「……いや、今、話しておいた方がいい。

 オークは頭目を殺されると、相手を追跡してしつこく復讐するのだ」

エリスは目を瞬いた。考え深そうに探るような眼で酋長と配下のオークたちを見比べる。

「……忠誠心に溢れた話ね」

「なに。大抵は、仇を討った者が酋長の地位を引き継ぐのさ。力の掟だ」

「力の掟?」

屈強な青年が聞きなれない言葉に聞き返した。

「オークには力の掟というものがあってな。聞いたことはないか?」

怪訝そうな顔に二人とも聞覚えがなさそうなので、アリアは言葉を続けた。

「地位のあるオークが何某かに殺された場合、その相手を殺したものが地位を引き継ぐのさ。

 強い者がより正しいという理屈でな。それで群れの長や高い地位には以前より強い者が付く。

 強い者を打ち倒した敵はより強く、その敵を殺した者はさらに強いという理屈だ。

 そしてオーク族は無限に強くなっていくそうだ」

「はあ?」

呆れたような様子のエリスの反応。

「確かに色々と馬鹿馬鹿しい。

 だが、問題は頭目を殺されたオークは、殺した相手をしつこく追跡して、復讐するという事実にある」

「そう云う事。で、如何する?」

酋長とオークを見比べて、難しい顔でエリスが此れからを口にする。

云うべきことを説明し終わったアリアは、疲れた溜息を洩らした。

「……其れを今、考えている」

色々とややこしい事になってきている。如何したものか。

女剣士の睨みつけた草原の向こう側。此方を窺うオークの数が五匹まで増えていた。



「畜生。どうすりゃいい。ラ・ペ・ズールが捕まってるんじゃよ。身動きとれねえぜ」

「たった一匹のサルによ。オークが二十人も……」

女剣士を睨みつけながら、オークたちは悔しげに歯噛みする。

「サルにしては手強いぜ。糞ッ」

「全身から血を流してる。弱ってる筈だ」

「返り血かも知れないぜ」

 槍を抱えて、平然と岩に腰掛けている女剣士の姿からは弱った様子は窺えない。

酋長を奪還する為とはいえ、オーク二十匹を一人で倒してしまうような豪勇の剣士に、自分が先鋒として挑みかかるのはどのオークにも躊躇われた。

オークたちにとっては認めがたく、また腹立たしいことながら、族長を虜にしている女剣士は手強い相手だ。

 最初の二、三人は確実に死ぬだろう。或いは、もっと死傷者が出るかも知れない。

二の足を踏みながら、幾匹かのまだ息があるオークたちを見つけては手当てする事で水を濁しながら、オークたちは対峙を続けていた。

「仕掛けるにしても、もっと人数が増えてからの方がいいだろうよ」

「糞ッ、グ・ズーズやガッゾ・ローがいれば、心強いのによ。何処に行ったんだ」

「グ・ズーズの大食いは、多分、チョ・ヤルの野郎といっしょだぜ。

 また二人だけで美味いもんを独り占めして食ってやがるに違いねえ」

「呼んで来いよ」

「やだよ。あの二人は恐えからな。特に食事の邪魔するとよ、おっかねえんだ」

オークたちはじりじりとしながら、他所からの増援を待ちわびていた。


「数は五匹……仕掛けてこないのは幸いだが」

黒髪の女剣士は坂の下で屯っているオークたちを見下ろしながら、冷静な口調で呟いた。

「そりゃ、そうだろう。あんた一人でオークを二十人も斬ってのけたんだ」

愉快げに笑い出した屈強な青年に、アリアは鋭い視線を投げかけた。

「今の私に期待するな。もう腕を上げる力さえ残ってない」

「え?ああ、おう。あんたは充分やってくれた。凄いぜ。本当に」

能天気な返答に眉を顰めながらアリアが再びオーク達の気配を探り始めた時、押し殺した小さな悲鳴が背後で上がった。



「降参するのよ!」

気絶から醒めた小柄なオークは、他のオークが皆逃げるか、やられてしまったのを見回してから、手にした棍棒を放り出してエリスの足元に跪いた。

「うわ!な、なに」

瘤だらけの醜い笑顔に精一杯の愛想を作って上目遣いに短槍を突きつけているエルフ娘を見上げる。

「これから、あなたに仕えるよ?だから、殺さないでね?」

「如何しよう。そんなこと言われたって……」

戸惑いを隠せないエルフの娘に女剣士が忠告する。

「オークなんか信用したら駄目だぞ」

だが、命乞いしてくる相手を殺すのは、エリスには躊躇われた。

戸惑いながらオークを眺めていると、命乞いの好機に思ったのか。

小柄なオークは長広舌を振るい始めた。


「リ・モルはいいオークよ?高貴なオークだけど下等なエルフやサルの味方よ?

 お前らエルフみたいな邪悪な兎野郎でも、きちんと反省すれば見下したりしないのよ?

 だから善良なリ・モルにひどいことしちゃだめよ?」

エリスは困惑した眼差しでオークを見つめた。

「どうしよう……言葉は通じるのに、意味が分からない」

黒髪の女剣士が思わず吹き出した。

傷口を押さえながら、おかしそうにぶるぶると躰を震わせている。


「お前、神様信じてるよね?森の神様。オークの神様よりずっと下等な奴だけど。

 きっと森の神様も云ってるよ?リ・モルはいい子だから殺しちゃ駄目って。

 森の神様に怒られたくないでしょ?嫌われたくないでしょ?

 リ・モルには親切にしないと駄目なのよ?オークを殺すと罰が当たるよ?

 オークの神様はお前の神様よりずっと偉いのよ?お前の神なんて奴隷よ!

 そのオークの神様が森の神様に命令してるの!リ・モルを傷つけちゃ駄目って!

 お前より偉い森の神様の命令なのよ?善良なリ・モルを殺すと地獄に落ちるよ?

 そもそも、お前らサルや兎は、本来、高貴なるオーク族に奉仕しないと駄目なのよ?」

エリスの頬が怒りに痙攣した。目付きが据わったものに変わる。

「へぇ……もう少し囀ってみなよ」


「なによりリ・モルはね、優しいからエルフが兎耳でも見下さないであげてるのよ?

 だから、リ・モルに酷いことしたら駄目よ?

 そんな事したら、オークに酷いことする邪悪な猿共と同じになっちゃうのよ?」

「なにこいつ」

エリスの冷えた眼差しとは対照的に、当のオークは得意満面でにやにやと厭らしい笑みを浮かべていた。

もしかして雄弁を気取っているのか。或いは、痛いところを突いた心算なのも知れない。

聞いてるだけで半エルフの娘は胸糞が悪くなってきた。

何より、エリスを恐ろしく愚かに見縊っているのが丸分かりな言動だった。

「殺してしまえ、殺してしまえ。

 どうせ、我らの事など言葉を喋るサルくらいにしか考えていないのだ。

 オークを一人殺せばその分、世の中が綺麗になる」

女剣士が不愉快そうな表情で嗾けながら面倒臭そうに手を振ると、オークも必死になった。

「あんな猿の事を聞いたら駄目よ?

 なにもしてないオークを殺したら、野蛮な猿や他の兎耳と同じになっちゃうのよ?

 何より、光の子であるオークを傷つける事は罪なのよ?

 此処でリ・モルを解放すれば、悪の下僕であるエルフに生まれた罪深いお前が許されて、救われるチャンスなのよ?」

 そもそも議論の前提となる認識や常識が違いすぎる上、其れを強引に押し付けてくる。

というか、此方に押し付けているという意識すらなく勝手に自論を展開してるので、聞かされている身としては非情に不快感が強かった。

エルフ娘は無言で槍を突き刺した。オークは慌てて身を捻ったが、腕に深々と突き刺さった。

「ぎゃ!……うぎゃあああ!リ・モルの腕がぁア!

 どうじで!降参してるでしょ?ごんなひどいごどしちゃだめだよぉ!」

 絶叫を上げながら、小柄なオークは尻餅をついて後退りする。

寸前まで本気で助かると信じていたから、何故、こうなったかを理解できない。

「……酷い?お前達が村人にしたことを……」

エリスの呟きをオークの耳障りに泣き喚く声がかき消した。

「リ・モルはほんとうは例え相手が下等なサル共でもね、あんなことしたくなかったのよ?

 とめたのよ?でも、あいつらが勝手にやったのよ?悪いのはあいつらよ!リ・モルだけはいいオークなのよ!

 たとえ相手が下等なちびの奴隷共でもね。優しいリ・モルはあんな事したくなかったのよ!」

「もういい。お前は喋るな」

狙い済ました渾身の一撃が、必死に捲し立てるオークの肋骨の隙間を縫って心臓まで突き刺さった。

「……ああ、胸糞悪い」

殺人よりも、オークとの会話の余韻が強い不快感をエリスに与えていた。

槍を引き抜いて、地面に唾を吐きすてる。胸が酷くムカムカとした。

「……オークなんかとまともに話そうとするからだ」

自業自得だと言いたげに告げてから、翠髪のエルフを眺めて女剣士は微笑を浮かべた。

「大分、慣れてきたではないか?」

 エリスも、元々は狩りで地を駆る兎を仕留められる程度の腕前は持つから、その気にさえなれば、無抵抗の相手を殺す位は容易い。

嬉しそうな顔で褒められたが、エルフの娘は微妙な顔をする。

「……そんなのを褒められてもな。なんで嬉しそうなの?」

「ふふっ、何故かな?」

「……変なの」

エリスは呟いてから、オークの死体を嫌悪感たっぷりに眺めて、さらに蹴飛ばした。

「……この生き物。物凄い不愉快な奴だったな」

胡散臭い笑みをけすと、アリアは冷めた眼差しになって肩を竦めた。

「良くある事だ。特に異民族や異教徒との戦争だと珍しくもない。

 野蛮人にしか見えない相手も、我等ヴェルニア人を同じように思っていたりな。

 私だってオークは別格にしても、野蛮なダーナの山岳民とか下劣なキリキア人の海賊連中とか大嫌いだからなぁ」

 女剣士の故郷である東ヴェルニアはシレディアの民が、ダーナの山岳民からは狡猾な侵略者と罵られ、またキリキア人からは冷酷な殺し屋と忌み嫌われている事を棚に上げてぼやいた。



「ああ、酷い!無抵抗な優しいリ・モルを殺すなんて。本当に兎耳は罪深い種族よ!」

 オークたちがまた騒いでいた。さらに数が増えている上に、黒エルフも合流したようだ。

エルフ娘は黒髪の女剣士の傍らに座って傷口を縫い、その後に集めてきた精々、清潔そうな布を包帯にしてもう一度血止めを行っていた。

血を流しすぎたのだろう。

 アリアの口調はしっかりしているが、顔色は悪く、時々、強い眠気にも襲われているようだ。

早く休ませたいと思いながら、しかし、此の状況で頼れるのも女剣士だけである。

「小屋に立て篭もるか、いや、駄目だな。……林にとって返して村人と合流し、全員で村を出るか」

「……人望はあるみたいだから、酋長を人質に時間を稼いでいる間に何人かが応援を呼びに行くのは?」

手当てしながらのエリスの言葉に、眠そうにウトウトしかけていたアリアが頷いた。

「其れが一番かな。奴らとて統率をかいているだろうし、此処で二十匹を失っている。

 酋長を抑えられていれば、早々、軽挙妄動は……」

結論を出しかけた時に、向こうから若夫婦が歩いてくるのが見えた。

黒髪の娘は欠伸を噛み殺し、エルフ娘は友達の容態を気にしていた。

屈強な青年だけが顔をほころばせると手を上げて、村の仲間に挨拶を送った。

「おう、クーム!生きていたか!」

若者は顔を強張らせたまま、屈強な青年の前を通り過ぎると酋長の前に立った。

怪訝そうに若者を見上げた酋長の表情が、手に握られた小剣に気づいた瞬間に強張った。

「兄さんの敵だ!」

若者の叫びと共に突き出された小剣が、オークの酋長の喉を深々と抉った。




今でも価値観や常識の違いで噛みあわないのは良くある事です

互いの文化や文明の違いをある程度知っている現代と違い、昔の人にとって、見知らぬ異国での交渉や接触は本当に大変でした。

時には命がけだったでしょう。


個人にしろ、企業にしろ、国家にしろ、皆が自分に有利なルールや常識を相手に押し付け合うのは、今も昔も変わりませんね

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