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廃墟探索5
廃墟探索5
「甘いのう、たかしは」
蛇女は呆れていた。
「ゆ…幽霊を説得しちゃった!?」
夕凪は驚きと恐怖で固まっている。顔中が汗だくだった。
そして、オレたちが階段を降りると一階に着いた。
ループが解除されたようだ。
階段を降りきったところで、
「わーっ」
「ぎゃあー」
秋雄たちが一階の廊下を走り去る。メッチャ騒々しいが、パニクってるから仕方ない。
「おい、待てよ…」
オレの制止も聞かず、秋雄たちはドタドタと建物から出ていった。
「DQN乙!」
蛇女が言うが、それ使い方違うぞ。
その後、夕凪を送って行った。
最寄り駅まででいいとのことなので、そこで分かれて部屋に帰る。
疲れた。
「いや、それ、憑かれたの間違いだろ?」
蛇女が皮肉っぽい笑みを向ける。
オレは答えない。
もう何も考えずに寝たい。
「あれ?」
蜘蛛猫がオレの左肩の背後を見た。
「家主さん、この黒い人、お客さん?」
もう、好きにしてくれ。
黒い女が自己紹介するのを見ながら、オレは思った。