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田舎の風習3

田舎の風習3


気がつくとオレは布団で寝ていた。

あれ?

何でいきなり寝てるんだ?

オレはボケボケした頭で考える。

蛇女と蜘蛛猫の大怪獣バトルが繰り広げられていたはずだが。

もしかして夢か?


オレは拍子抜けしたものの、すぐに安堵する。

意味フな気色悪い夢だったな。

全編通して釈然としないのだが、夢なら仕方ない。


それから皆に聞いたところでは「マモリ」は滞りなく済んだようだった。

オレを含めて誰も寝てないとか。

やはり夢だったということか。



葬式が済んで、オレは両親と一緒に戻った。

大学生のオレは一応、学校の近くにアパートを借りて住んでいる。

一人暮らしだ。

部屋に戻ると落ち着く。

人と接した後なので、一人の時間が欲しくなるのだった。


適当に夕飯を食べていると、


「よっ」


青白い肌の女性がオレの真横に現れた。


「ブハッ」


オレは盛大にカップ麺を吹いてしまった。


「ななななな!?」


「お主の体は居心地良くてな、憑いてきてしもたわ」

蛇女…いや今は普通の人間のように足がある…はニッコリ笑って言った。

「はあー?」

「しばらく厄介になるぞ。都会見物もしたいしのう」

「え?」

夢でない上にここに住むおつもりですか?

「うん、そのつもりじゃ」

蛇女はうなずく。

いや、そんなこと言われても…。

オレが対応に困ってると、


「あにょー」


別の方向から声がする。

「ん?」

オレが振り向くと、そこには蛇女と激闘を繰り広げた蜘蛛猫が座っていた。

正座である。

「ほげぇっ!?」

オレはびっくりして心臓が止まりそうになった。

三途の川が見えかけたよ、マジで。

「あすこからおん出されちゃったんで、棲むとこナッシングなにょよね」

「はあー?」

「だから、ここに置いてよねーマジで」

蜘蛛猫さんは、妙になよなよしていた。

えっと、女性なのか?

「チッ、厚かましい猫だのぅ」

「いいじゃにゃいですか、家主さんに対して悪さはしませんよ」

蛇女と蜘蛛猫さんが部屋に押し掛けてきた訳だ。

オレの生活に平穏という言葉は戻ってこないのだった。


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