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子供の頃の記憶
オレは子供の頃、田舎のじいさんばあさんちに行くと、必ずと言って良いほど村外れの神社で遊んだ。
小さい山の上にポツンと建つ寂れた神社だが、村の人が定期的に掃除するので荒れてはいなかった。
だいたいが近所の子供たちと連れだっていた。
鬼ごっことか隠れんぼとか定番の遊びをしてた。
時々、境内の奥の方に誰かが居たのを覚えている。
髪の長い女性で服装はよく覚えてないが、紅白の着物だったと思う。
背は結構高かったと思う。
色白…いや、むしろ青白い肌をしていたが嫌な感じはしなかった。
じっとこちらを見ているのだが、オレが気づいて見やるとついと視線をそらしてしまう。
そして少しの間に居なくなる。
その時はなんだろうと思うが、すぐに遊びに没頭して忘れてしまう。
別段深くは考えずにいた。
そして成長するにつれて田舎に行く機会も減り、外で遊ぶこともなくなった。
徐々に記憶から薄れていった。