表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

09 睡眠~旅支度前に

 「いっつう……?」

 痛む頭を抑えながら起き上がると、そこには何故か二人の姿が。 ベットを挟むようにして二人は寝ており、先ほど戦っていたのが嘘の様だ。 

 フィーンの頭に手をかざし、表示しろと呟く。 ステータス画面は本来相手には見せられない物だが、レベル五百越えともなれば、そんな物は強引に無くす事が出来る。

 フィーンのステータス画面には、《弱・操り状態》という文字が状態異常の欄にあり、気になったため服暦を見ると、そこには《狂乱》《強・操り状態》など精神に異常をきたす物が、多大に発動されており頬が引き攣る。 上の欄へと進むと操り状態以外が一斉に解除されており、現在はその反動で寝ていると言った所のようだ。

 「しゃーなしってね」

 面倒に思いながらもフィーンのステータス画面をさらに無理やりこじ開ける。フィーンに害のあるスキルを全て、フィーンに負担が掛からないように破壊するため意識を集中する。

 そして一斉にパキンッと言う音が何度も反響する。確認すると全てのスキルが消え去っていた。

 ……まぁ気にしないでおこう。

 「次にリィンっと」

 リィンの方もおかしいと思いステータス画面をこじ開けると、《弱・操り状態》の文字が。

 大方フィーンにでもやられたんだろうなーと思いながら、それだけを消去させる。

 それと同時にフィーンとリィンの記憶を少々改竄させる。少しばかり泣きそうになるが自分を叱咤し落ち着かせる。

 「どうしてこうも面倒な事になったのかやら……」

 そんな私の言葉はどこ吹く風、リィンとフィーンは仲よさそうに手を繋ぎながら寝ていた。

 

 別に私はフィーンを許すつもりはない。どこに親を殺されて恨まない人間がいるのか聞きたい所だ。

 だけどフィーンの方も私たちの所為で大切な人を失っている。ならお相子という子供のような感覚で優しさとして、許す許さないではなく、普通にしていれば良い。

 「相変わらず面倒な性格だねぇー私、は」

 本音として、ただ面倒ごとが嫌いだから、この恨みは私の中でとっておけば良い。この三人で今日旅に出てしまおう、そうすればフィーンを狂わせるようにした奴にもいつか会えるだろう。 リィンの隠している事もいつか私に喋ってくれて、それで、それで――いつか、逃げたくなったら死んでしまえば良い。この世界での出会いなんて幻想にも等しいのだから。

 既に私の心は壊れてしまっているなんて、知る由も無かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ