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突然の悲劇



俺は雑種犬。名はスター。随分思いきった名前だな、とかは言わないでほしい。飼い主の優音がくれた名前だ。俺の背中にある黒の斑の形が星に見えることからつけられた。決してテレビなどで活躍している"スター"とは違うのだが、勘違いされそうで、誰かに紹介される度にハラハラしている。

でも、家族はいつしかスーと呼ぶようになったので勘違いされる前に本名を知ってもらえない。

優音は11歳、小学五年生の女の子だ。

俺は6年前、林の木に繋がれ、弱りきっているところを優音に拾われた。

優音は両親の反対を押しきり、俺を飼い始めた。

そのうちお母さんもお父さんも俺を可愛がってくれるようになり、俺は幸せな日々を過ごしていた。これからもそんな日々が続いていくと思っていた。


あれは去年のこと。

優音が病院に運ばれた。

お母さんは泣いていて、お父さんは真っ青な顔しながらお母さんを慰め、病院に行った。

俺はやっぱ犬なわけでお留守番。

心配で、心配で、どうかしてしまいそうだった。

意味もなく遠吠えをしたりした。

帰ってきたお母さんが話してくれた。

優音は野良犬に噛まれて大怪我をしたらしい。大好きな優音が、自分と同じ、犬によって傷つけられた。

―――悲しかった。

優音が家に帰ってくるまでの時間が、まるで永遠のように感じられた。


俺は家の中のケージの外で眠ってしまっていた。

すると、

『ガチャガチャ』

玄関の開く音。


「大丈夫??ゆっくり歩いていいのよ」

「もう平気よー」


優音!優音だ!

「ワン!!」

優音ー!


優音のいるであろう玄関に俺は走った。

いつもは家の中を走り回るとお母さんに怒られるけど、そんなの気にしてる場合じゃない。

早く、早く優音の元へ――――。


すると、包帯を腕に巻いた優音の姿が見えた。

ずっと、ずっと待ちわびた、心配だった優音の姿。

足元に擦り寄ろうとした、その時、優音と目が合った。

途端に優音が悲鳴をあげた。

「やだ!お母さん!!」

そう叫んで、優音はお母さんの後ろに隠れ、震えていた。

愕然とした。

優音に避けられた。

優音が俺に脅えている。

なぜ。

なぜ。

なぜ。



優音、どうして?




この日から、(俺と君の関係は狂ってしまったね。ねぇ、君はもう俺と遊んでくれないのかな?もう笑いかけてもくれないのかな?ねぇ、もう一度抱き締めてよ。)

微妙なところで切ってしまいました(汗)不定期連載です。続きもぜひ読んでくださいね。

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