始まる前触れ
初投稿になります。
今回のお話だけではサッパリ内容がわからないと思います。
これからほそぼそと連載していきます。
後書きみたいになってしまいましたが、では始まり始まり~。
夕方、日が傾きかけたある街で事故は起きた。
「おかあさーん、晩ご飯なーに? 僕お腹すいちゃった」
「ふふーん、今日はね、ゆークンの大好きな親子丼にしまーす!」
「ホント! やった、おかわりしてもいい?」
「もちろん。たくさん作るからいっぱい食べてね」
子供は母親の顔を見ながらニコニコと笑う。
子供の年齢は10歳、母親はちゃんと親離れできるかしら? と少し不安だったが子供の笑顔を見ると、そんな不安もどこかに飛んでいった。
親子が横断歩道の赤信号でとまったとき、子供が自慢げにいった。
「僕ね、運動会の練習で徒競走一位だったんだよ! すごいでしょ」
「すごいね~、じゃあ運動会楽しみにしてるね」
「おかあさん、信じてないでしょ! それなら勝負しようよ」
子供は向こう側の信号を指さしながら、楽しげにルール説明。
「あの赤信号が青に変わったら走りだして、横断歩道を先に渡りきった方が勝ち!」
母親はニコニコと顔をほころばせて、いいわよと、いった。
信号が青に変わり、子供は元気よく走り出し、母親は子供のためにゆっくり走る。
子供と母親の距離はどんどん離れていき、突然赤信号で止まっていたトラックが、アクセル全開で子供のほうに走りだした。
「ゆークン! 危なぃ…………」
母親が声をかけ終わる前にトラックは子供を轢き、そのまま近くにあった電柱にぶつかり止まった。
子供の血で走った跡を描きながら。
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心音や血圧を測る機械の音、メスが金属トレイに置かれる耳障りな音の聞こえる部屋で、一人の男が口を開いた。
「車にでも轢かれたんでしょうか? 脳に強い衝撃を受けています。このままでは、人格が変わってしまいますね」
すると、すぐ隣りにいた男も口を開く。
「人格が変わっても根本から変化するわけではあるまい。気にしなくてもよい。フォルムはどうする? 青年タイプに変更するか?」
「いえ、対象は女性だけではありません。このフォルムのままのほうが『下』の奴らとも接触しやすいでしょう」
「妖精はどうする? 最近はここの妖精が減ってきているが……」
「妖精保護計画が進んでいます。最悪間に合わない場合、人造タイプで構わないかと」
「そうか、わかった。それにしてもずいぶん久しぶりだな、『下』上がりは」
「そうですね、かれこれ10年になります」
「何かの前触れかもしれんな。さて、終わったぞ」
そういって男は手に持っていたメスを金属トレイに置いた。
そして部屋から出ようとドアに向かう。
「ようこそ、『上』の世界へ」
静かにドアが開いた。
どうでした?伏線ばかりでサッパリわからなかったでしょう。
なぜなら物語は始まってさえいないからです。もちろんこれから連載していきますが。
最後に、全くの素人の作品を読んでいただきありがとうごさいました。
感想おまちしております。