小さな侵入者
丘にたどり着くと、早速図書室で借りてきた本を広げ勉強開始。
もちろん、侵入者を警戒しながらですが・・・。
侵入者が城内に入ってくると直ぐに光耶ちゃんや風耶に知らせてくれるそうなのであまりお兄ちゃんも気にしてないようです。
本を広げ見てみると、そこには魔法(初心者向き!)と1ページ目に書かれていた。
「お兄ちゃんふと思ったんだけど、こっちの世界の言葉読めたり喋れたりするんだね。」
「もちろん!夕美が日本語で書いているつもりでもこっちの言葉に勝手に訳されちゃったりもするよ♪
すごいだろ☆」
「べんりだね!コレって先輩もそうなの?」
「もちろん。なんて言ったって僕が召喚したんだから。」
「お兄ちゃんすごいね。」
「だろ。」
「うん!」
「じゃ、勉強しようか。」
ほのぼのから一転、早速勉強開始です。
私は、風耶と契約しているということで風属性の魔法中心に勉強した。
1、小さな小石を浮き上がらせること
2、植木鉢を落とさずに運ぶ
3、大きな石を運ぶ
「って運ぶことばっかりでしょ~」突っ込んだら、初心者だしね(笑)って言われた。
確かにそうだよね・・・。
1がようやっとクリアーしたときちょうどお昼の鐘がなった。
「休憩しようか。」とお兄ちゃんの一言でランチタイムに。
お昼は、光耶ちゃんが作ってくれたお弁当。
何でも、今は交代で食堂行ってもいいけど私がいなかった時は、交代も何もお兄ちゃん1人だったから離れられなかったそうだ。
食堂行っている間に何かあっても困るしね。
食堂のお昼もおいしかったけど、光耶ちゃんの料理も最高だよね。
メイは今頃、休憩入ったころかな?
今度のメイの相方いい人だといいな。
と思いながらお昼を食べ終え、ちょっと休憩していると風耶が難しい顔。
きれいな顔立ちが難しい顔しているとちょっとおっかないよね。
「どうしたの?」と風耶に聞くと、「「侵入者」」と風耶と光耶ちゃん二人そろって答えた。
「夕美の初仕事だね。じゃ、いこっか」
連れられて、行ってみるとそこにはウサギ。
「可愛い侵入者だねv」
「そうだね。じゃ、山へ帰してあげようね。」
よくよくウサギが侵入してきた経路を見てみるとそこには、穴。
城壁に小さな穴が開いていた。
「いくら人間が通れなくてもコレまずいよね。」
「そうだね。とりあえず、面倒だからキリトにテキトーに報告しておいてね。」
「解ったよ。」
と返事をして、また小さな穴からウサギを返してあげた。
もちろん穴には、そこらへんに転がっていた木の板を立てておいた。