王子の中身
あれから数日後、王子から呼び出し。
もちろんお兄ちゃん経由で。
仕事が終了するとメイと別れお兄ちゃんに連れられて王子の部屋へ。
すると、一言「よく来たな、とりあえず座れ。」
「なんの御用ですか?」
何気なく質問すると、
「お前、精霊と契約したそうだな。その姿見せろ。」
といきなり言われた。
お兄ちゃんに目線で助けを求めたら首を縦に振られた。
しかたがなかったので、風耶に問いかけた。
『風耶聞こえる?』
『聞こえるよ?』
『どこにいるの?』
『僕はいつもユミの周りに居るよ。』
『さっきの話聞いていた?』
『うん。けどいやだ!』
『いやなの?』
『いやだ!僕はでていかないよ?ごめんね。』
『風耶がいやなら仕方無いよ。』
「お兄ちゃん、風耶いやだって。」
「なら仕方ないか。」
それを聞いてた王子は、
「お前本当に精霊と契約したのか?いい職に就きたくて、嘘ついたんじゃないか?」
と私の事を馬鹿にすると、いきなり部屋の中に突風が起こり部屋がめちゃくちゃに。
私とお兄ちゃんは光耶ちゃんに守られ何ともなかったけど、王子は突風に巻き込まれ壁に激突!
人間見た目だけじゃなくて、中身も大切としみじみ思った瞬間だった。