召喚された?
「ちょっと、来て!」
そう言って、学校の先輩だろう人に首根っこを掴まれ引きずられ校舎裏に連れてかれ、いきなり
パーンと平手打ちを頂いた。
次の瞬間私は、まったく別の場所にいた。
気がつくと広い場所。
だけど、さっきとは全く別の場所で真っ先に目に入ったのは目の前にいる人物。
真黒な衣装に身を包んでいるいわゆる童話やゲーム(ファンタジー物)なんかに出てくる魔導師
みたいな格好をしているが、明らかに良く知っている人物に瓜二つ。
でも、その人物は生きてはいない・・・。
だからもう、会えないはずだからその人物のはずはない。
私は、じっとその人物を凝視していた。
ただ、ひたすらその人であってほしいと思いながら・・・。
すると、魔導師みたいな人は、私の目の前にやってきて
私をそっと抱きしめた。
耳元で「会いたかった」と言って。
その声は、明らかにあの人だった。
でも、そんな訳無い。だってもう死んでいたんだから。
じゃぁ、このヒトはダレ?
頭の中が混乱しすぎて何が何だか分からなくなっていると、
お兄ちゃんはクスクス笑い出し
「ごめんごめんイキナリだと混乱するよね。」
そういって、いつの間にか流していた涙をぬぐってくれた。
「久しぶり、会いたかったよ。3年前より成長したよね?夕美。」
(確実に目線が怪しかったので、無視)
「・・・お兄ちゃんなの?嘘。」
そう私のお兄ちゃんは、もう亡くなっていた。
3年前に・・・。
「あーそのね、実はね死ぬ直前にこっち側に
来ちゃったものだから実際は死んでなかったんだよ。」
「・・・こっち側って何??」
「えーとね、判り易く言うと異世界ってやつ?」
ども、ファンタジー初でした。