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第36話 怒り

「水奈、大きな音を立てたから、すぐ応援が来ると思うの。だから、絶対に私から離れないでね!!」


「わ、わかった!!」


 廊下を走り、出入口っぽい方向へと走る。

 ――――やっぱり、応援が来た。


 前方――だけじゃないわね。

 後ろからも来ているみたい。


「ね、姉さん!!」


「大丈夫よ」


 水奈を壁側へと寄せ背中に隠し、左右から向かってくる刀を差している男達を見る。


「捕らえろ!!」


 一人の掛け声により、一斉に刀を振り上げ襲ってきた。

 こんな狭いところで刀を大きく振り上げるなんて、普段刀を使わない私でも無意味だってことはわかるわよ。


 視線を低くし、刀の攻撃を受け流す。

 すぐに刀を持っている腕を掴み、手首を捻りながら思いっきりぶん投げた。


 刀を落としたから、すぐに拾い上げる。

 峰内狙いで、横一線に力いっぱい振り払った。


 男達は、私の力技に任せた刀の攻撃で後ろへと吹っ飛ぶ。

 次に反対側。私の動きに唖然としていた男達を、またしても同じように峰内狙いで横一線に薙ぎ払った。


「よし、次に――」


「きゃっ!!」


 水奈の叫び声!?

 振り返ると、水奈が男に捕まっていた。


「水奈!!」


「おぉっと、動かない方がいいぞ。この女がどうなってもいいのか?」


「ぐっ」


 ――――しまった。

 水奈の首元に刀を突き付けられていては、上手く動けない。


 ――――っ!!


 峰内したのが仇となった。

 周りの男達も次々と起き上がる。


 やばい、身動き取れない間に、これはまずい。

 やっぱり、一瞬でも水奈から離れるべきではなかった!!


 ――――ドンッ


「ぐっ!!」


 しまった、男の挑発に気を取られて、背後に回られていたことに気づかなかった。


 背中を蹴られふらつき、そのまま床へと押さえつけられ、首元に刀を突きつけられた。


「水喜姉さん!!」


「動くな!!」


「キャッ!!」


「水奈!!」


 ――――おい、なに、私の水奈を怖がらせているんだよ。


 その汚い手で、水奈に、触るな。

 その汚い口で、声をかけるな。話しかけるな。


 その、血でべったり汚れている刀を、水奈に押し付けるなよ、屑共が。


「なんだぁ、その眼は。何もできないくせに、その目だけは殺気がこもっているなぁ」


 有利に立ったからと、相手を煽るゴミ。

 あぁ、本当に雑魚。まじで、死ね。


 妹を、私の大事な妹を穢すな。


 離せ、離せ。

 離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ!!!


「っ、おい!! 動くな!!」


 離せ、水奈から手を、離せ。


「こいつ、刀が首に食い込んでいるのに、無理やり動いて…………」


「その手を、離せぇぇぇえええええ!!!!」


 首の痛みなど気にならないくらいの怒り。

 無理やり男どもを押しのけ、水奈を掴む男をぶん殴った。


 水奈を取り返し、刀もしっかりと奪い取る。

 刀を突きつけ、床に倒れこむ男を睨みつけた。


「お前、私のかわいい、愛しの、女神である妹に刀を向けたな。傷をつけたな。許さない。お前のことは、絶対に許さない」


 殺してやる殺してやる殺してやる。

 この男の腕を切り落とし、次に足を切り落とす。


 生きながらにもだえ苦しむ姿を水奈に見せたくないから、後ろに隠して。

 そして――……


 ――――――ギュッ!!


「っ、水奈??」


「水喜姉さん、あの、首の怪我…………」


 あぁ、無理やり立ち上がったから首か切れてしまったのか。

 危険なことをした自覚はあるけど、まぁ、いいや。


 それより、こいつを――……


「っ! 水喜姉さん!! やめて、もう、やめて!!」


「でも、こいつは水奈を怪我させた。水奈に傷をつけた。私の愛しの、天使の、女神の妹を傷つけた。許さない、私は絶対に許さない」


「姉さん!!!」


 ――――バタンッ


「っ。え?」


「な、何が?」


 いきなり、男どもが床に倒れこんだ?

 何が起きたの? なんで倒れこんでしまったの??


 困惑していると、外からあやかしの気配を感じた。

 振り向く隙すらなく、傷ついた私の首に、後ろから暖かい手が添えられる。


「――――まったく、いずれは無茶すると思っていたが、まさかここまでするとは思わなかったな」


 この、温かい声は。

 この、優しい温もりは。


 やばい、涙が溢れる。

 体全体が温かくなり、この感覚に、すべてを委ねたくなってしまう。


「水喜、迎えに来たぞ」


「っ、羅刹様!!」


 振り向き、羅刹様に抱き付いてしまった。


ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!


よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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