表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薔薇と鷹の二年間(仮)  作者: 飴屋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/35

ブランデー

「はい、お待たせ」


カルロスがコーヒーをローズの前に置いた。次に、レオン。


「ありがとうございます」

「あぁ、ちょっと待って」


そう言って、カルロスは細長いスプーンに角砂糖を乗せた。

その角砂糖に琥珀色の液体の入ったボトルを傾ける。

ふわりとアルコールの香りがした。


「これは、ブランデーですか?」

「そうだよ。新しく仕入れた品だ」


角砂糖にブランデーが染み込んだのを確認して、カルロスは角砂糖に火をつけた。

ボッ、と、青白い炎が浮かぶ。


「! すごい!」

「面白いだろ? この前、仕入先の酒屋の若いのに教えて貰ったんだ」


角砂糖が溶け出し始めたのを見て、カルロスはコーヒーに入れた。


「最近、始めたんですか?」

「いや、昨日から始めるつもりだったんだけど、忙しくてな。ローズさんが一番目だよ」


同じようにレオンの前でも、ブランデー漬けの角砂糖に火を付け、入れる。


「面白いですね」


ローズはコーヒーを一口飲んだ。

横目で見ると、助手は言われた通りコーヒーに手を付けていない。魔術を込めた強制力のある命令ではなかったが、それでも良かったらしい。


「カルロスさん。今のは、このブランデーじゃないと出来ないんですか?」

「いや、そうじゃないよ。ただ、この酒を作ってる酒屋の新商品を仕入れるのなら、って教えてくれたんだ。陽気な良い奴だったな」

「そのブランデーは、昨日開けました?」

「うん? そうだけど?」


ローズはコーヒーカップを置いた。


「私、昨日初めてブランデー入りのコーヒーを飲んだんです」

「あぁ、うちの従業員が間違えたと聞いたよ。なんだか、調子が悪かったみたいでなぁ、あのあと厨房で転んで足を捻ったと帰ったんだ」


腕組をしながらカルロスは言った。


「すまなかったな、注文を間違えて。でも、気に入ってくれたのか?」


その質問に、ローズは小さく首を振った。


「とても苦くて、我慢して飲みました」

「苦い?」


カルロスが怪訝そうな顔になった。


「はい。初めて飲む味だから、そういうものかと思ってたんです。カルロスさん、このブランデー、カルロスさんは飲んだことありますか?」

「仕入れたときに、味は見てあるが…?」


ローズに言われたカルロスは、カウンターから小さいカップを持ってくると、瓶から注いだ。

口に含んだ瞬間、カルロスの顔に深い眉間のシワが寄ったのを見て、すかさずローズは忠告した。


「飲み込まないで!」


カルロスはすぐに流しに向かい吐き出した。


「なんだ、これ? 仕入れたときと味が違ってる!」


やっぱり、ローズは、肩を落とした。


「パルシェさんも昨日、このお店でお酒を飲みましたよね?」

「あぁ。一人だったから、控えめにすると言っていたが…?」

「飲んだのは、ブランデーですか?」

「あぁ、確か…。ローズさん、どう言うことだ?」


ローズは静かに言った。


「多分、何か薬が混ぜられているんだと思います」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ