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詩歌集2

初恋卒業式



高校


卒業式


今日で私は、ここを卒業する


教師に渡されたコサージュを胸に付け


体育館で校長から卒業証書を受け取り


校長や在校生の卒業の言葉等を聴いて


時間がゆっくり、けど早く流れていく


もうそろそろ、卒業式が終わる


私はもう、高校生じゃなくなる


それに、彼にまだ言えてないこの胸の想いを……


少し前の席に座る彼の背を見る


少し猫背気味の彼の背を、見つめる……


卒業式が終わった


後輩たちが作る花道を歩く


花道を抜けると


友達同士で集まって記念写真を撮ったり


部活動をしていた人は、後輩たちに囲まれたり


モテモテだった男子は、たくさんの女の子に囲まれ


制服の第2ボタンは誰がもらうとかケンカになってたり


私も友達と集まって記念写真を撮ると


きょろきょろと辺りを見回す


彼の背中を探す



彼の背を、見つけた


私は鼓動をあげながら、彼の背を追う


卒業する前に、彼に言えてなかったことを


言いたかったこの胸の想いを……言いたくて


彼は人混みを抜け、体育館の裏側に向かう


私は人混みを泳ぎながら、彼の背を追う


────……


彼の名を呼ぼうとした、時


彼は女子に、何かをあげていた


学ランのボタン……だ


────……


きゅっと


唇を閉じ


私は彼に背を向けた


「好きです」


彼に伝えたかった言葉を喉奥に飲み込み


私はその場を離れた


薄く零れる涙を啜りながら


この初恋とともに、学校ここを卒業する──






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― 新着の感想 ―
[一言] 切ないものですね。 私は女子校だったので、こんな思い出などはあるはずもないですが、こちらを読んで、分かったように思いました。気のせいかな?切なさも、振り返ればいい思い出なのでしょうね。羨まし…
[良い点] せ、切ないですな……。 けど、卒業式の雰囲気が、淡いパステルピンクと相まって……。 あー。中学~高校を、ループ──。 いや、勉強がなぁ……面倒くさい。 今の小説力で中1から本格的に目指した…
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