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私の上司は口数が少ない

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

とある神様がこんな感じ。

私の上司は口数が少ない。此方から声を掛けても、『はい』、『いいえ』位の返答しかない。文章で返す時もほぼほぼ短文で帰ってくる。あまり……会話が続かない。

そんな上司に頻繁に話し掛ける、物凄く人当たりの良い先輩が居る。その先輩は何時も作業の合間合間に独り言の様に会話を続けていた。

話の内容は 『今日、暴風雨だから窓中にダンボール張ったんですよ。取り立てられた家みたいでした』、『最近新しく出来たパスタ屋さんがあるんです。明太クリームが美味しそうで、休日に食べに行く予定なんです』等々……。

勿論、上司は『そうか』だの『あぁ』しか返答しない。ちぐはぐな会話が気になって思わず聞き耳を立ててしまう。先輩は……気まずく無いのかな。


「お中元が届いたよ。好きなの取ってってね」

「あ、じゃあこれで」

出されたのは和菓子の詰め合わせだった。饅頭やら、どやらきやらが詰まっている。私は羊羹を。何だかお茶が飲みたくなった。

お茶を買いに行こうとしたら先客がいた。あの人当たりの良い先輩だった。彼女は私の気配に気がつく事無く颯爽と小銭を入れて、ボタンを押す。振り返った時に私に気が付いて、花の咲いたような笑顔を浮かべた。

「ごめんね、待ってたよね」

「あ、いえ……」

譲ってくれたので、私も小銭を入れてお茶を買う。後ろから視線を感じる。多分先輩がなんの気無しに此方を見ているのだと思う。

会話が続くとは思わないし、お茶を取り次第さっさと去ろうと思ったその時、先輩から声を掛けられた。

「□□さんがね、褒めてたよ。仕事早くなってるって」

「□□さんが?」

言い方は悪いが私に対してそんなに興味を持っているとは思えない。そんなに動向を見られて居るとも思えない。何時だって無骨な双眸はパソコンの画面に注がれているのだから。それでも、この先輩の裏表のない笑顔が本当だと語っていた。

「優しいよ。□□さん。私がなんの気無しに言った言葉も覚えてくれてる。最初の頃に戸惑って『お気になさらず』って言ったら『気にするな。勝手にやってる事だから』って言って、私が好きなお菓子くれた」

「そうですか……」

「だから嬉しくなって、いっぱい話し掛けてる。じゃあね」

先輩はそう言って颯爽とその場を去っていった。

翌日、会社に着くと上司が見計らった様にその場を立って此方に歩み寄って来た。相変わらず無表情で、何を考えているか分からない。強ばる私を他所に上司はすっと手を出した。

「やる。これからも励む様に」

渡されたのはコンビニでも売ってる小さい羊羹。皿に移す事無く押し出して食べるタイプの

『私がなんの気無しに言ったことも覚えてくれてる』という言葉を思い出す。あれはきっと本当だったんだろう。

どれくらいかと言うと、

初対面の部下を連れて外回り行った時、『この店気になってるんです』と言われた事を覚えて、飲み会の会場にする様な方。

戸惑う相手に『行きたかがっていたから』と返答する様な方。

『お気になさらず。深い意味は無いんです』と言われたら『俺が勝手にやったこと』と返す様な方。

……さり気なく部下の方もお返ししてそうな。


無口で無骨ではあるけれど、些細な事を覚えて、さり気なく返してくれる方。

ある意味理想の上司だなぁと思って出来ました。


とある神様がモデルです。

名前を出すのは少し躊躇ったので、現パロ風に。


追伸

湯葉食べたい!! 美味しい!! って叫んでいたら、乗り換え口に湯葉の店が出店されてました。

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