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羞恥

どうやらメインというのは最初についた部屋?だったらしく、到着すると一番高い場所にある豪華な席でふんぞり返って座っている博士の姿があった。


どうやら気分は大艦隊の提督のようだ。


「適当な席に座って。」


そう言われたので、適当な席に座った。特に誰も使っていないようなので選び放題だったが、目の前にあるPCも、今座っている椅子も、かなり高そうの物に見える。そんな無駄な場所に金をかけるなんて、ここの収入源がいったいどうなっているかすごく気になるが。


そんなことを考えていると、博士の急な大号令とともに、部屋中の電気がきえ、辺りが暗闇に包まれる。


静寂の後、前方の大画面モニターで映像が流れ始めた。



―――かつて大災害を経験した君たちへ。


あの凄惨な事件から約2年がたった。私たちは等しく何かを奪われ、失った者たち。そして、二度と私たちのような者が出ないようにと願う者たちである。


そのために今まで活動を続け、ついに最後の1ピースまでたどり着いた。それが君たちである。あの大災害を生き抜き、それでも前へ進まんとする―――


、、、途中から、何を言っていたのかはわからなかった。


普段は記憶の底に封じ込めている、あの日の記憶。思い出したところで、自分の無力さと、自分の情けなさを痛感するだけだから。


なぜ俺は何もできず、守られるだけだったのか。俺のために死んでいった両親の姿を思い出すたび、自分への嫌悪感で吐き気がしてくる。


それでも、もし俺のようになってしまう人を少しでも減らすことができるなら。今悲しみにとらわれている人の助けに少しでもなれるなら。二人が俺を守ったことにも意味が生まれるのだろうか。


「そういうわけで、もちろん協力してもらえるよね、律くん?」


いつの間にか隣に来ていた博士が、俺の肩をたたく。


そして、俺は何もできないと諦めていた自分に、別れを告げた。


サブタイトルの通りです

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