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メンヘラ作文。【花瓶の呪い】

作者: 受難

自分の中にあるメンヘラ要素を煮詰めて凝縮して書き上げたものになります。


あっという間に読み終わる短編小説以下のよく分からない作品です。

別れる相手に花の名前を教えておくといいらしい。隣に自分がいなくなったとしてもその花は毎年咲くから。


そういう事をふとどこらから聞いた事を思い出した。川端康成の小説だったか。



誰よりも大切なあなたの家に花を飾ろう。

その時に花と一緒に花瓶も買って行くのだ。あなたの家に花瓶があるかどうかわからなかったからと言い訳をして。



それから気まぐれに花を買っていくのだ。

花の種類はなるべく変えて、しかし1つの花をよく買っておく。


そして花がある事が当たり前になるように、わざとらしくならないように何度も何度も花を買っていくのだ。


そうして、あなたがその事に気がついてポツリと言葉をこぼす。


その花、好きなの?と。


勿忘草って言うんだよ。綺麗な色でしょう?



そうやって何度もその花を見るたびに、無意識に記憶の中に刷り込まれてしまえばいい。



そうしていつか2人に別れがやって来たとして。

いつの間にか当たり前になった家にあった花がなくなっている事に気がついて少しだけ寂しくなっていまえばいい。もうそこに、いつも花を買っていた恋人がいない事をふっと思い出して欲しい。


そして、花が無い事に慣れてしまっても勿忘草の季節になって視界の端にその花が写ってハッとすればいい。



そんな事も忘れてしまったある時、あなたに新しい恋人もいて、新しい生活に慣れてしまった時、気まぐれに新しい恋人が花を買ってきてその事に懐かしさを感じてしまえばいい。


それが、かつての今はいない過去の恋人との思い出だと思い出して罪悪感を感じればもっといい。


たまに家を掃除した時にいつ使ったか分からないあの時の花瓶が出てきて過去の話なはずなのにと自分に呆れて溜め息をついて、でも花瓶なんて態々買ったり捨てたりする訳でもなく、ただそこにある花瓶にまた溜め息をついてしまえばいい。


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