転生少女、と、マイクロコスモスカッター。
マイクロ・コスモス・カッター とは
事故で流出したインナースペースを素子さん本人から分離する為の道具、使用には高額の費用がかかるらしい。
新井素子さんの小説、絶句に出てくる道具、だ。
確かに、インナースペースを分離する為の道具ではあるけれどこの世界に存在するものでもない。
でも。
わたしは自分の中奥底にあるキオクを検索する。
確かに、其処にはマイクロコスモスカッターの理論が存在した。
そう、このキオクは、瑠璃の読書の賜物であったのだ。彼女が読んだ本のキオク。彼女が思い描いた世界のキオク。
そして。
……だいじょうぶ、かな。
ナナコ、心配?
……この世界ごと、壊れてしまわないか。心配。
うん。わたしも。
だけど。このままじゃだめなのも確かだし。
……うん。そうだね。
それに。
……うん。元の前世の世界に、二度と戻れなくなる、よ。
そう。でも。
わたしは選んだのだ。この世界を。この世界の存続を。この世界でアリシアとして生きていくこと、を。
マイクロコスモスカッターを使用するにはもう一つ代償があった。
わたしの中に存在する魔王という存在値をかなり消費する事になる、と、いうことだ。
計算の結果は、キオクのある領域でさえ、かなり失われるかも知れない、と。
ナナコは、大丈夫、だろうか……。
それだけが心配。
……ま、あたしは魔王の領域とは違ったとこに居るから。大丈夫。いざとなったらクロコに逃げるよ。
うん。
じゃぁ。いくよ。
わたしはマイクロコスモスカッターの理論を魔法術式に書き換え、多重魔法陣をサーラの周囲に張り巡らせた。
本当は向こうの世界の瑠璃にかけるべきだったのだろうけど、あちらでは魔法が使えなかったのでしょうがない。
これでもなんとかなる筈。
そう、計算では……。
そして。瑠璃を通して世界の分離が行われた。
これで、完全に新しい世界が生まれたのだった。




