表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/176

ナナコ、と、瑠璃。

 手持ちの日本円は普通に使えた。


 ……ほんと、この世界って標準日本のある世界、みたい、ね。


 俺たちはとりあえずこの世界の情報収集をし、そして分かった事。


 まぁ、とりあえず俺たちの元の世界では無いって事が一つ。


 そして、この世界が今まで何種類も訪れたのと同じ、元世界のパラレルワールドだろうって事。


 それも、元世界とかなり似てる。俺たちが標準日本、って呼んでる世界のレベル。


 何で元世界じゃないって解ったか?


 天城製薬が無かったから、かな。過去から、そんなもの、存在すらしなかった。


 ネットで検索しても、全然知らない漫画やドラマしか引っかからない。フィクションなのだ。この名前。


 他の知ってる企業とかは大体似通ってるのにな。




 さて。水森亜里沙ってのもネットではヒットしなかった。


 ……地方の小都市、としか聞いてなかったっけ。


 まぁ。しょうがない。地道に探すとする、か。


 ……近くに居れば、インナースペースに引っかかるかも。わたしたちが入った時の痕跡がまだ残ってそうだしね。


 とりあえずは東海道線、その後西日本に向かってみるか。って、そうするとまずはお金稼がなきゃ、かなぁ。


 手持ちはもう底を尽きそうだ。





 ☆☆☆


 待ち合わせたのは国道沿いのファミレス。この街は車がないと不便。わたしは今日だけお父さんの車を借りてきた。


 駐車場で待ってるとスマホに着信。栄子が到着したようだ。


 車を降りて入り口までいくと彼氏と仲良く待っている栄子が居た。


「ありさー。久しぶりー」


「ひさしぶりー。と、水森亜里沙です。よろしくお願いします」


 わたしは彼氏に挨拶を、と、彼氏も会釈で返してくれて。


  と。なかなかのイケメンな彼氏だ。


 ……おにいちゃん……


 え? ナナコ? どういう事?


 ……おにいちゃん、だ。アキラおにいちゃん、、




 キオク、が、降ってきた。


 ナナコ、いや、子供の頃の瑠璃とアキラの幸せだった頃の、そんなイメージ。


 ああ。


 同時に、ナナコが瑠璃から解離した時の、苦しいイメージも。


 そうか。そうだったんだ。


 何、が、わかったってわけじゃない。


 ただ、わたしがナナコをこんなにも簡単に受け入れる事が出来たのも、ナナコが好きなのも、理解、できたってこと。


 ナナコは、瑠璃、だったんだ。そう、納得できたのだ。


 そしてナナコが瑠璃ならば、あの世界を創造したのも、また、瑠璃である、と。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ