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転生少女、と、魔法少女のつくりかた。

「俺たちは今、元の世界へ帰るための旅をしてる」


 そう切り出したあきさん。って、元の世界にって、もしかしてなかなか戻れなかったり? する?


「世界ってほんといっぱいあるんだ。数え切れないくらい。その上、どんどん新しい世界が生まれてる」


「で、もちろん消えていく世界も、あるみたいなんだけどね」と、ともさかさん。


「で、ここがそうか、とか思った似た世界でも、やっぱり違ったり、でさ」


「ひょっとして、帰れなくなってる? とか?」


「まぁ、ぶっちゃけそういうこと」


 あは。でもなんだか危機感なさげ。


「まぁ。ついでに行方不明の兄貴探しもしてるんだけどね」


「んで、もともとはエンジェルレイヤーの発案者であるとあるマッドなじいさんとちょっと対立して、悠のやつが暴走した結果エネルギー過剰で次元突き抜けちまったのが原因」


「俺は本体をそのじいさんの研究室に置きっ放しだから、仕方なく悠と二人で一つの身体共有してるってことさ」


「で、本題。元々そのじいさん、っていうか、天城博士の研究が、魔法少女のつくりかた、っていうか。人工的に魔法少女をつくる為色々研究してたらしく、そのうちの成果の一つがエンジェルレイヤーなのさ。魔法の触媒を人のインナースペースと重ね合わせ融合し、そんでもって変換して書き出す。それによって元々魔法回路を持たない人間でも魔法少女になれる、っていうはなし」


「その過程で色々変質したりする個体もあったりで。性別が変わったり人格が変わったり。色々ありすぎて、結局危険だからってお蔵入りになった魔法なんだけど」


「まさかアリシアの魔王のキオクの中に同じのがあるなんて、ね」


 ああ、そっか。それはほんと不思議。




 あ、




 でも、そっか。


 それなら。




 わたし、気がついちゃった。かも。


 もしかしてもしかしたら、わたし、あきさんの世界、わかるかも、しれない。


 あ、でもダメか。そもそもわたしが前世の世界に帰る方法だって、わからないわけだし。



「こんな事言ってもなんともなんないかもだけど。わたし、あきさんの事、昔お話で読んだよ。好きだったお話。あきさんはヒーローだった」


「お話の作者、は、友坂悠さん。たぶん、別世界のともさかさん。だから。きっと。わたしの前世の世界にいた友坂さんの心の奥底が、きっとあきさんの世界と繋がってたんだよ」


 世界はいっぱいあって、いっぱい増えてて。


 おはなしも、いっぱいあって。増えている。


 そしてそれらが繋がってる、なんて。




 なんだかすごく素敵だなって。ほんと、そう。おもう。

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