転生少女、と、あきさんの話。
あれから。
とりあえずわたしとあきさんは泣きながら待ってたサーラを宥め、応接室に向かった。
人払いしてもらい三人でソファーに座る。
サーラはわたしにくっついて離れなかったので隣に並び、向かい合ってあきさん。
まあ三人っていっても、結局ここにいるのはサーラ、カッサンドラ様、わたし、ナナコ、あきさん、ともさかさん。あ、クロコもいる。
クロコは今わたしの中で寝てる。
結局クロコ、影、どころか、わたしのインナースペースを自由に出入りできるようになってた。すごいよね。
そんで今はわたしの中ってこと。
わたしの魔法少女の格好はとりあえず解除できたけど、それでも以前より身体が軽い。運動なんて苦手だったのに、今ではたぶんその辺の人より強い? かもしれない。なんかどんどん人間離れしていっちゃうけど、しょうがない、か。
「結局魔王を魔法少女で上書きして、で、悪いプログラムを押さえ込んだ格好だな」
と、そう、あきさん。
「ですが、終末プログラム自体が無くなったわけではありません。今回の魔石に取り込まれていたのはほんの一部、いえ、コピーの一つ、です。根本的に解決したわけでは、まだ、ないでしょう」
カッサンドラ様か。
って、そうなの? ちょっとふにゃぁ。
……それよりも。あきのこと、知りたいかも。
え? ナナコ? ひょっとしてあきさん好きになっちゃった?
……ばか。そんなんじゃないわよ。 エンジェルレイヤーの事とかそのマッドな博士の事とか、色々聞いておかなきゃ困るでしょ?
そっか。そうかもね。
「あの、あきさん? このレイヤーの魔法とか、マッドな博士の事とか、ちょっと教えてほしいな」
「そう、だな。ちょっと話長くなるけど、いいか?」
「もちろん。お願い」
「ま、そんなに期待されるような話でも、ないんだけどな」
でも、ちょっと、興味ある、よね。やっぱり。




