転生少女、魔法少女になる。
目、を、開けると。
そこには、
サモトラケのニケと、超人ロックのニケを足して二で割ったような姿のあきさんがいた。
わたしがさっき見た瑠璃はあきさん?
……ちがうよー。あれはあたし。
んーナナコ? でも、あれ、瑠璃、だったし……。
……たぶん、あんたの記憶の中の大事な存在だからじゃないかな。
そっか。大事な存在、か。
「でも、あんたのキオクにエンジェルレイヤーが有るとは思わなかったよ」
え? どうして?
「あれは、うちらの世界のマッドな博士の発案だから、な」
ああ、そっか。でも。
「いちお、世界の記憶庫らしいからね。そういう事もあるんじゃないかな」
「おーおー、口が回るようになったじゃないか。 って、どうだ? 大丈夫か?」
やっぱり本質は優しいな。あきさん。
「うん。まぁ。あまり変わった気はしない、かなぁ」
「そっか。そのかっこでそう言えるって事は、だいぶん変わったってことかも」
え?
「わたし、何か、おかしいの??」
あきさんはさっと右手を出すと、そこに鏡面の盾を展開した。
そこに映るわたし、の、姿、は……。
金色の髪をポニテにし、頭にはピンクの大きなリボン。
白を基調にしたレオタードにピンクのセーラーカラー。胸にはハートのブローチ。
パニエのようなミニスカートにブーツを履いて。
手には肘まで伸びる真っ白な手袋。
ああ、おもいっきりセーラー服美少女戦士、じゃないか。
額に、お日様のマーク。サンアタックとか出来そう……。
なにこれー?
「まぁ、そりゃぁ。エンジェルレイヤーって魔法少女用の変身魔法だから、なぁ」
それ、早く言ってよね!




