魔王、vs、魔法少女。
さーて。第2弾ってか。まぁ、しゃーねーな。
ガレシアを包んだ焔はだんだんと小さくなり、そして、消えた。
あきの周りに光が走り、そして、以前のかわいい魔法少女とは違う、精悍な様相に変わる。
光の羽、光の鎧。両手には槍を持つ。
ニケ? みたい。
あー。ナナコってニケがわかるのか?
あ、うん。なんとなく。
こっちの方が戦闘力が上がるのさ。ベースは俺、ね。
とにかくあれ、を、なんとかしないとな。
魔王の目があきを捉える。
憎悪に燃えているままのその目を見据え、あきから仕掛けた。
両手の槍を交差させ、光の鞭を生み出す。
一瞬、魔王を捉えたかに見えたそれ、は、魔王に巻きつくや否や、消滅した。
魔王から光の塊が飛んでくる。
これは、まずいな。
このまま避けることは容易いが、と、一瞬躊躇し、そして切り替える。
前方に位相の壁を作り、光を上方に弾く。
見境が無くなってるか
魔王から放たれるエネルギーの奔流は、当たればこの辺り一帯を消し去るだろう。このままでは。
マギカ ディメンション!
中庭を隔離!
魔王とあき二人を狭間の世界に移行する。
ここなら!
あきのエネルギー波が魔王を包む。
ダメージ、あるのか?
そう叫び斬りかかる。
魔王は両手の先から光のヤイバを伸ばし、交差した。
ジリジリ!
うそ、だろ?
魔王のヤイバは空間の組成そのものを切り裂いた。
一瞬、外の世界が垣間見える。サーラの目が此方を見ているのが判る。
ねぇ。あたしに身体、貸してくれない?
ナナコ?
このままのあんたには任せておけない。アリシアは、わたしが守るの!
身体が破裂するように、痛む。
あきと悠は、ナナコの上書きを拒むのをやめた。




