魔法少女、カイゴウ Q。
ちょっと番外編。
あきさんの物語。です。
ここから5話分は番外、です。
本編資料としての存在でしかありません。
もし興味がない場合は読み飛ばしても、大丈夫です。
よろしくお願いします。
「折角この世界に魔法が存在するのだから、それを科学的に解明したいというのは自明の理。私のその探究心を邪魔しようというのかね、君は」
なにそれ。
何勝手な事言ってるのこのおじさん。
「だからって関係無い人巻き込むなんて最低! 翔子さん返してよ!」
「関係無い? はは。物の理のわからぬ娘には何を言っても無駄だろうがな。人類なんていうものは一つの意識の集合体に過ぎないのだよ。私も、おまえも、底まで辿れば円環の理に辿り着く。そんな仮初めのうつつを知識の探求に捧げた私にとって、まわりの『人』などしょせん私の探求の道具にすぎん。お前は自分の欲望のために自分の手足をつかうだろう? それとなんら変わりはせんのだ」
な、に、そ、れーー。
もうあったまきた。
堪忍袋破裂だよ!!
わたしのまわりの空気が熱くなる。
ゆらゆら息苦しくなって、でも怒りのほうがもう沸点突破してるから、もう限界!
ダメだよ! 悠!
わたしの中にいる秋さんが叫んでる。
でも、だめ。
もう我慢できない。
わたしのまわりの熱く煮えたぎったかのような空気が塊となって空間を歪めて漂っている。
このままだと自分の体までどうにかなってしまいそうだけど、加減が、でき、ない……
空間が歪み、意識も歪む。
目の前にいるはずのあの男の目が笑っていた。




