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転生少女、と、メイド服。

 大門をくぐるとリーザが待ってくれてた。


 嬉しい。


「おはようございます」


「おはようアリシアちゃん」


 こちらを見る目が測ってるように見えるのは、気のせいじゃないだろう。


 リーザは手を伸ばしわたしの手を掴むと、


「こっちね。広いと迷うから」


 手を繋いであるく。ちょっと恥ずかしいけどまだ子供だから、いいのか?


 っていうか記憶をなくす前のわたしは少なくとも子供、では、なかったはず。


 うん。思い出せないけど感覚的に、そう思う。




 更衣室のロッカーにはアリシアってちゃんと書いてあった。


 日本語、カタカナ、で。


 あはは。もう笑うしかない。


 難しいことは考えても無駄だと思うけど、この世界はやっぱり何かの箱庭なのか? VR? 仮想現実? そんな可能性も拭いきれない。


 周りの人が皆NPCとも思えないし、プレイヤー?でも、違うな。


 すごくにんげんくさい。当たり前に生きてる、ふつうの人間。作り物だと思うのは、うがちすぎ、か?




 制服は黒のシックなメイド服だった。


 ふーん。お仕事ってメイドさんだったのかな。


「アリシアはとりあえずわたしの後をついてきて。順番に説明していくよ」


 お掃除洗濯厨房のお手伝い。それがここでの仕事だった。


 どれもとっても面白い。


 ルンバみたいなのに三本の可愛い足が生えてるお掃除ロボットトロ。


 上面に目みたいのがついてるんだけど、それがコロコロ動いて可愛いの。


 壁も歩けるんだって。すごいなぁ。


 魔法で起動っていうからやってみた。簡単に起動したからいいのかなこれで。


「よしトロ。がんばっておいで」


 わたしは抱えてたトロをお掃除する予定の部屋に放り込む。


 終わったら隣の部屋に順番に移動って追加指示も出しておいたから、午前中は安心だ。


 これで次は厨房かな。


 魔道具を使ってお仕事するって面白い。


 なんか三つ四つ同時起動で同時に操るくらいはできそうだから、すごく効率よくお仕事できそう。


「なんかアリシア、記憶ないなんておもえないほど手際いいけど」


「あは、そう?」


「うー。前よりいいくらい?」


 良いならいいか。って、わたしたちは笑いながら厨房に向かった。





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