転生少女、と、日本人。
「美味しい」
イチゴタルトをほうばりながら秋さん。顔がニコニコしてる。
あは、そうしてるとやっぱり女の子に見える。ほんと、どっちなんだろう不思議。
「さっきのあきにゃーさんと今の秋さんって、なんか同一人物に見えませんねー」
と、リーザ。
ほんと、わたしもそう思う。
「ああ、さっきは主体が悠の方だったからね」
「さっきのはわたしにあきさんが30パーセントかな。レイヤー乘算ね」
え?
いきなり口調が変わった。
「マジカルレイヤー、っていうの。元はわたしベースにあきさんがかぶってるんだけど、あ、今此処にいる姿はあきさんのみね」
「二人いるって事? それも入れ替わるの?」
瑠璃ちゃんとカッサンドラ様みたいなものかな……?
「あきさんの本体は研究所の中だから。元々のベースはわたしなんだけどね」
と、こっちは悠?
「あ、でも日本ってよく聞きますよね。この世界わりと転生者とか転移者とか話題になるけど半分は日本って国だっていいますよ」
そうなの? っていうかリーザでさえそこまで知ってるのか。日本。
「そんな感じするねー。食事とかもろ日本食だし。最初来た時びっくりだったよー」
「だけどさ、君たちが知ってる日本だって、一つじゃないかもだよ?」
え? え? こっちはあきさんのセリフ。 って、どういう事?
……言っちゃいなよアリシア。あんたも日本からの転生者、だってさ。リーザもこの調子じゃ気にしないよたぶん。
うん。ナナコの言う通りかも。
「あの……。わたしも転生者なんです。それも、日本人でした」
「え? アリシアちゃんも? 実はわたしもなんだよ」
えーーーーー?
なんだかほんとうびっくりだ。なんか、石を投げればもと日本人に当たるような気もしてきたよ。
「まぁ。みんな同郷で喜ぶのは早いかな。ほんと君たちの居た日本だって、別世界の可能性が高いからね」
「世界って、ほんとにいっぱいあるのよ。そう、それも毎日新しい世界が生まれてるの」
え?
「ここだってそうさ。まだ出来てそんなに経ってない筈。これだけ不安定なのも珍しいけど」
って、どういう事ですかー??




