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転生少女、と、リーザの過去。

 美味しいご飯に満足して。公園に行って水鳥を見て、そんでもって大道芸を観て。


 おやすみを思いっきり満喫した。


「リーザ先輩今日はありがとうねー。ほんと楽しかったデス。そろそろ西地区に向かおうかなって」


「ああ。おうちのあった所いくの?」


「ええ。無くなっちゃったおうち、まだ見て無いですから……。なんだかまだ実感無いです……」


 思い出すとちょっと悲しくなる。


「ねえ。わたしも一緒に行っちゃだめ?」


「え?」


「好奇心、とかじゃ無いのよ。わたしも昔あの辺りにちょっと住んでたことがあってさ。気になってるんだ……」


 え? ご近所さんだったの?


 .「もちろんいいけど、もう少し付き合ってくれるの?」


「うん。流石にご両親との晩御飯の時間には遠慮するから安心して」


「あは。なんだったら一緒に食べるー? わたしは大歓迎だよ」


 教会敷地突っ切ると早いかな。お墓の側も通るけどまあいいよね。


 ☆


 ……っていうかこの子幾つなのよ。


 そうなんだよねー。ほんと年下にしか見えないんだけどなんとなく悪い気がして聞くに聞けないんだよねー。


 ……ねぇねぇリーザちゃんって幾つなの? って聞けばいいじゃん。


 あはは。わるいよー、


「そいえばリーザ先輩ってどこの学校だったんですか? 中央の侍女科ではお見掛けしなかったですけど」


 ……あ、上手いな。そこから聞くか。


 そでしょ?


「わたし……、中学行って無いから」


 え?


「今の職場は完全コネ。っていうか両親共に勤めててわたしあの公主館で育ったんだ」


 えー? びっくり。


「三年前の騒乱、覚えてる? 先代がお亡くなりにったときの。あれで両親巻き込まれちゃってさ……」


 先代公主さまのお亡くなりになった原因の、あのテロ、か……。


「孤児院に行く筈のとこ、今の公主様に救って貰って。小学校出てすぐ働きはじめたの」


 ああ、そんな過去が……、ごめんね好奇心で聞いちゃって……。


「ああ、そんな顔しないで。わたし、今は幸せだから」


 強いな。リーザちゃん。あ、でもそしたら……。


「ってことでわたしはアリシアより年齢一個下でしたー。気になってたんでしょう?」


「え、じゃやっぱりリーザちゃんだぁ」


「あは。いいよ。そのかわりわたしもアリシアちゃんって呼ぶからねー」


 あは。なんだかんだでもう一つ仲良くなれた気がする。


「アリシアちゃんのおうちのあった側にさ、わたしのおばあちゃんも昔住んでてね。小学校上がる前まではわたしもそこで住んでたの」


 そっかぁ。


「おばあちゃんが亡くなって、そんで両親の職場の寮に住むことになったんだけど。やっぱり、あんな事があったっていうの、気になってて」


 そう。ほんとどうなってるんだろう。近くまでいけるんだろうか? それも心配だ。






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