表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/176

転生少女、と、大門の騎士さま。

 城下に到着するとまずはやっぱりお城へ。


 クロコをお家に置いてこようかとも思ったけど、ここでこの子を隠蔽しちゃうと女神像が無くなった言い訳が出来ないし、しょうがない。


 幸い大人しくしててくれたから、わたしが布袋ごと胸に抱いてても周りからは何か大事なものでも抱えてるのかくらいにしか思われなかった。


 上から覗くと、おめめをまん丸にして上目遣いでわたしを見てる。ほんとかわいい。


 いいこだね。クロコは。


 そう小声で声を掛けながら大門をくぐった。




 と、門の中では大勢の騎士さま達がこちらを見て立っている。


 のんけんな雰囲気。やっぱり、素直に帰ってきたのは失敗? ちょっと怖い。


 通常門兵さまは大門より奥にある城門に詰めてるので、ここまで表に大勢の集まってくる事もない。


 ふにゃぁ。でもここで立ち止まってるわけにもいかない。わたしはその脇をすり抜け通用口に向け進もうと歩く。




「まて」


 びくっと肩を竦めるわたしに騎士様の中のたぶん偉い人。


「アリシア=レイニーウッドか?」と。


「あ、はい。そうですアリシアです。公主様のおつかいからただいま戻りました」


 騎士様がわたしの全身を上から下まで舐めるように睨め付け、そしてやがて安堵するような表情になり。


「うむ、……魔王では……無い、か。……よし。皆、解散だ!」


 と、振り返り号令する。


 ああ、そういう事か。やっぱり全部シナリオ通りという事ね。


 わたしが女神像を受け取るという事が魔王復活のキーだった、と、そういう事かぁ。


 そんな確信めいた事を思い浮かべて呆然としているわたしを尻目に、騎士様達は城門へと戻って行った。


 魔王じゃないって……わたしは今でも魔力はゼロだから? 胸の中にいるクロコの魔力は感知されてないのだろうか?


 そんな事もボンヤリ思い浮かべながら、暫くその場に佇んでいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ