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転生少女、と、かわいいねこ。

 猫!?


 ……ねこだねぇ。


 可愛いけど……これってどういうこと?


 布から顔を出してこっちを見る眼はまんまるで。かわいい黒猫の子猫にしか見えない。


 な、な、って小刻みに鳴きながら頭をわたしの手にこすりつけてくる。さっき魔石は魔獣になるって言ったのにどうして?


 ……これも、あんたと繋がっちゃったからねぇ。どうやら魂の奥底で繋がって、あんたの影響をモロに受けてる感じ。たぶん、アリシアは猫度が高いんじゃないのかなぁ?


 猫度、って……。


 でも、かわいい……。かわいいは正義、かな……。


 ……うーん。完全にアリシアに従僕してるっぽいから。このままでもいっか。


 いいの?


 ……人に危害とかは加えそうにないからね。黙ってたら普通の猫にしかみえないよ。


 そっか。


 あ、でも、どうしよう……。女神像、無くなっちゃった……。


 にゃー?


 あは、かわいい。クロコ、この子はクロコでいいかな。


 ……黒猫の子猫だからクロコ? たんじゅーん。


 いいの。クロコ、響きがかわいいじゃん。


 っていうかさ。もうこうなったら全部話すしかない? よね?


 ……まぁ。公主さまっていうのが悪いやつならあたしがなんとかしてあげるよ!


 うう、公主様は……、瑠璃ちゃんは……。


「わーねこだー。おねーちゃんねこひろったの? いいなー」


 乗合馬車の隅で体育座りでじっとしてたわたしは周りから見たらちょっと異質に見えていたのかも。


「だめ、リア。おねえちゃん迷惑だから、メ!」


 興味深げにわたしの方に来ようとする子供は母親に手を引かれ戻って行った。


 わたしはちょっと苦笑し、


「ごめんね。またね」と。

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